飛行第59戦隊
飛行第59戦隊の歴史と戦績
飛行第59戦隊（ひこうだいごじゅうきゅうせんたい）は、太平洋戦争において大日本帝国陸軍が編成した飛行戦隊です。この部隊は、一式戦闘機「隼」を最初に装備したことで知られ、開戦当初から多くの戦果を挙げました。その歴史を振り返ることで、当時の航空戦の状況とこの戦隊の役割をより理解できます。
概要と設立
飛行第59戦隊は昭和13年、1938年7月1日に設立され、各務原の飛行第1戦隊から選抜された兵員によって編成されました。編成当初は九七式戦闘機を装備し、2個中隊で構成されました。設立直後、部隊は満州延吉へ移動し、11月には漢口飛行場に展開しましたが、当初は空中戦の機会に恵まれず、主に練成に専念しました。
ノモンハン事件を契機に進出するも、空戦の終息と重なり、1939年9月15日にはわずか11機の戦果を挙げるにとどまりました。その後には、漢口を拠点に中支での対地支援任務に従事しましたが、戦争の激化に伴い、次第に戦力を充実させる必要に迫られました。
一式戦闘機「隼」への改編
1941年5月、飛行第59戦隊は一式戦闘機「隼」に改編され、その後の8月には再び漢口に戻りました。しかし、隼の故障が続出し、10月に立川に一時帰還して機体の補強と武装強化を行いました。この段階で戦隊の士気は高まり、戦術の整備も進められました。
1941年12月7日、部隊は仏印コンポントラッシュに集結し、64戦隊と共にマレー上陸戦を支援することになります。1942年には南郷茂男大尉が第2中隊長として着任し、シンガポール、パレンバン、ジャワ島の攻略戦に参加し、連合軍機を多数撃墜しました。ジャワ島に駐留後、連合軍の反攻に直面し、ニューギニア戦線での厳しい戦闘でも多くの消耗を強いられました。
九州への撤退と防空任務
1944年2月、飛行第59戦隊は九州の鷹ノ巣へ再編成のために撤退し、三式戦闘機に機種改編されました。7月から本土防空の任務にあたりますが、故障機が続出し、戦力の維持が困難な状況にありました。B29爆撃機などに対する戦果も上がりませんでした。
1945年4月には沖縄戦に参加するため知覧に展開。特攻機の護衛や本島上陸部隊への攻撃に従事するが、戦力をさらに消耗し、芦屋に後退しました。再度五式戦闘機に改編され、本土決戦において連合軍への特攻部隊としての役割を担いますが、最終的には敗戦を迎えました。
戦隊長
飛行第59戦隊の戦隊長には今川一策 航空兵中佐が就任しており、彼のリーダーシップの下で部隊は重要な任務を果たしました。彼は1938年7月15日から1939年12月1日までこの地位を務め、この間に部隊の基礎を築きました。
参考文献
関連項目
このように飛行第59戦隊は多くの戦いを経て、その歴史を刻んできました。戦隊の活動を通じて、当時の日本陸軍の時代背景や航空戦の厳しさを垣間見ることができます。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。