飛鳥浄御原令

飛鳥浄御原令についての詳細

飛鳥浄御原令（あすかきよみはらりょう）は、飛鳥時代後期に制定された日本の初期律令法であり、22巻から成る法典です。この令は日本歴史上、初の体系的な律令法と考えられているものの、現在では其の詳細や内容については多くが不明です。

背景

飛鳥浄御原令の創出に先立つ律令法には、668年に天智[[天皇]]によって制定された近江令が存在します。ただし、近江令に関する見解には賛否があり、一部ではその存在自体が否定されています。この近江令は律令制を目指す単独の法令の集合体であり、体系的な法典ではないと広く認識されています。

その後、大友皇子を引き継いだ天武[[天皇]]は、軍事的強制を用いて政権を掌握し、皇親政治を進めると同時に、専制的に政治を運営しました。天武は強い政治意志をもって官僚制度及び諸法令の整備に着手し、律令制の導入を目指しました。681年2月25日、天武は皇子や貴族に律令の制定を命じる詔を発しました。しかし、その後686年に天武が亡くなると、彼の皇后である鸕野讚良皇女と皇太子の草壁皇子がこの律令の活動を引き継ぎましたが、草壁も689年に急死します。

飛鳥浄御原令の公布

草壁皇子の死後、飛鳥浄御原令が官吏たちに頒布されたのは同年の6月です。この時、律は制定されず令のみが頒布されたため、政府の混乱を抑えつつ天武の意志を続けるために、急遽公布されたと考えられています。また、令には天皇号の取り決めや、戸籍作成の頻度、地方制度の枠組みや班田収授に関する規定など、律令制の骨格が定められています。

律の編纂

飛鳥浄御原令の中で律が併せて制定されたとする説もありますが、実際には律は作成されず、唐律が適用された可能性も示唆されています。この時期にはまだ唐律の整然とした形での伝来がおこなわれておらず、その理解に優れた人材も不足していたからです。

飛鳥浄御原令は急遽施行されたため、完成度は必ずしも高くありませんでした。そのため、律令の編纂作業はその後も続けられ、最終的には701年の大宝[[律令]]によって、天武[[天皇]]の意図した律令整備が完成することになります。

結論

飛鳥浄御原令は、古代日本における律令制度の初歩的な形を示す重要な法典であり、律令の基盤を築く役割を果たしました。それにより、日本の官制や社会構造に多大な影響を与えたとされています。

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