食品総合研究所

食品総合研究所（National Food Research Institute, NFRI）は、日本の食料問題解決と食品産業の発展に貢献するため、幅広い研究活動を行っている国立研究機関です。

概要

所在地: 茨城県つくば市観音台二丁目1番地12
所長: 大谷敏郎

食品総合研究所は、日本の食料政策の変遷とともに、その姿を変えてきました。設立当初は、米穀の利用研究を目的とした研究所でしたが、時代とともに研究対象を拡大し、現在は食品全般に関する研究を行っています。

沿革

食品総合研究所の歴史は、日本の食料事情と密接に関わっています。

1934年（昭和9年）: 農林省米穀局に米穀利用研究所が設置され、その歴史が始まりました。当時、米は日本の主食であり、その利用に関する研究は重要な課題でした。
1944年（昭和19年）: 戦時体制下、食糧管理が重要になり、食糧管理局研究所として組織が改編されました。食糧の安定供給が国家の最重要課題となった時代です。
1947年（昭和22年）: 戦後、食糧研究所として再編され、食料問題全般に対応する研究機関としての役割を担うようになりました。
1949年（昭和24年）: 食糧庁の設置に伴い、その附属機関となり、食糧行政を支える重要な役割を果たすようになりました。
1972年（昭和47年）: 食品に関する総合的な研究機関として、食品総合研究所に改組されました。この改組は、食品の多様化と品質向上に対する社会的な要請に応えるものでした。
2001年（平成13年）: 独立行政法人化され、より自律的かつ効率的な研究活動が求められるようになりました。
2006年（平成18年）: 農業・食品産業技術総合研究機構の内部研究所となり、より広い視点からの研究連携が強化されました。
2016年（平成28年）: 農業・食品産業技術総合研究機構の食品研究部門となり、組織改編を経て、現在に至ります。

食品総合研究所は、設立から今日に至るまで、常に日本の食料問題と食品産業の発展に寄り添い、研究活動を続けてきました。その歴史は、日本の食料政策の変遷を映し出す鏡とも言えるでしょう。

研究内容

食品総合研究所では、食に関する幅広い研究が行われています。

食品の安全性に関する研究：食品中の有害物質の検出や食中毒の予防に関する研究が行われています。
食品の機能性に関する研究：食品に含まれる機能性成分の解明や、それらの健康への影響に関する研究が行われています。
食品の加工・保存技術に関する研究：食品の品質を保持し、長期保存を可能にするための技術開発が行われています。
食料資源の有効利用に関する研究：未利用資源の活用や、食品廃棄物の削減に関する研究が行われています。
* 食文化に関する研究：日本の食文化の継承や、新たな食文化の創造に関する研究が行われています。

これらの研究活動を通じて、国民の食生活の向上と、食品産業の発展に貢献することを目指しています。

今後の展望

食品総合研究所は、今後も日本の食料問題解決と食品産業の発展に貢献するため、積極的に研究活動に取り組んでいく方針です。グローバル化が進む中で、食の安全・安心を確保し、持続可能な食料システムを構築するための研究が、ますます重要になると考えられます。また、健康志向の高まりに対応した機能性食品の開発や、食料資源の有効利用に関する技術開発も、今後の重要な課題となるでしょう。

外部リンク

食品研究部門｜農研機構

もう一度検索