飯富橋

飯富橋の概要と歴史

飯富橋（いいとみばし）は、山梨県南巨摩郡身延町の富士川を跨ぐトラス橋で、県道411号下部飯富線の一部です。この橋は、鋼単純下路平行弦ワーレントラス橋の形式で、9150mの長さを持つ三連構造と、鉄筋コンクリート製のT桁橋が組み合わさった設計です。全体の長さは150.9メートルで、支間割りは3つの47メートルと1つの7メートルから成っています。

橋の幅は6.6メートルあり、車道の幅は5メートル、歩道部分には側道橋として2.5メートルのスペースが確保されています。耐荷重は2等橋として設定されており、総鋼重は231トンです。橋台は左岸と右岸で異なり、左岸は半重力式鉄筋コンクリート、右岸には重力式コンクリートの橋台を使っています。また、橋脚は鉄筋コンクリートの井筒基礎で構成されています。橋には四基の花崗岩からなる親柱が立っています。

この橋の工事は横河橋梁製作所と鹿島建設によって行われ、上部工および下部工の両方にかかわっています。工事には約52,251,302円の費用がかかりました。これらの特徴からも分かるように、飯富橋は技術的にも歴史的にも重要な橋として位置付けられています。

歴史

飯富橋の建設に至る経緯は、昭和初期まで遡ります。1930年、左岸の飯富村と右岸の共和村が県へ道路組合の設立を働きかけたことが発端です。この動きにより、土木事業としての橋の建設が1932年11月4日に開始され、1933年4月3日に最初の木製の橋が完成しました。この木橋は村道常葉停車場飯富線として機能し、長さは176メートル、幅は3.5メートルでした。しかし、1935年と1945年には洪水によって橋が流出してしまいます。

その後、地元住民からは永続的な橋の建設が強く望まれました。これを受けて、共和村長と原村長、富里村長が協力して新しい橋の建設を進めることになりました。1950年7月に新たな橋の建設が着工され、1953年5月に竣工を迎える運びとなりました。竣工を記念し、左岸の宮木地区には記念碑が設置されています。

飯富橋は、地域の交通手段としてだけでなく、歴史的な遺産としても重要な存在です。この橋は何度も改修と再建を経て、今日も多くの人々に利用されています。地元の人々にとって、飯富橋はその象徴とも言えるでしょう。

参考文献

• - 峡南教育事務所・峡南地域教育情報紙「かけはし」第88号

外部リンク

• - 飯富橋 - 歴史的鋼橋検索 土木学会

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