飯尾為男

飯尾 為男 - プロ野球選手の軌跡

飯尾為男（いいお ためお）は、1933年10月15日に愛媛県新居浜市で生まれた著名なプロ野球選手で、投手として活躍しました。彼の輝かしい成績にも関わらず、勝利を手にすることが少なかった選手として知られています。

経歴の始まり

飯尾の野球のキャリアは、1951年に新居浜東高校の2年生のときに、高校を中退するきっかけとなる出来事から始まりました。彼は愛媛県の審判部長である後藤二郎に紹介されたことで、大映スターズの監督藤本定義に出会い、才能を見込まれてプロ入りを果たします。支度金10万円と月給1万円という契約で、飯尾は大映スターズに入団しました。

プロとしての挑戦

1954年に一軍に定着すると、彼は独特の投球スタイルを駆使し、自らの持ち球を開発。ボールを縫い目に沿って握ることにより、独自のシュートやフォークボールのような球を打ち出しました。この技術を武器に多くの内野ゴロを生み出し、徐々に出番を増やしました。同年は36試合に登板し、3勝を挙げ、防御率は2.57でした。

翌1955年は37試合に登板したものの、援護に恵まれず苦しいシーズンを送ります。その後、1956年に高橋ユニオンズへ移籍し、同年の3月21日に行われた対近鉄パールス戦で初勝利を挙げました。この年は苦しい連敗を経験し、特にチーム全体の得点が低かったことが影響しました。しかし、最終戦で勝利したことで、彼は連敗を止め、自らの実力をある程度証明しました。

転機と復活

1957年に高橋ユニオンズと大映スターズが合併した後、飯尾は東映フライヤーズへ移籍。新チームでの1957年は47試合に登板して10勝を記録し、これも彼にとって唯一の二桁勝利のシーズンとなりました。翌年は調子が下降し、1959年には52試合に登板するも、9勝12敗という結果を残しました。

最後の挑戦

1960年には毎日大映オリオンズに移籍し、32試合に登板して5勝4敗、そして次の年は阪神タイガースにトレードされましたが、思うような成績を残せず、1963年に退団しました。彼の現役時代は、勝利に恵まれない試練の連続であり、通算勝利数が35に対し、敗戦数は70という厳しい記録を持っています。

投手としてのスタイル

飯尾はその投球フォームが独特で、肘と手首が鞭のようにしなり、投球時には鋭いしなりを見せました。スタルヒンからはその肘の使い方がかつての名投手、沢村栄治に似ていると評されたこともあります。

引退後の生活

引退後は神戸市に住み、静かな日々を送っているようです。野球の世界で数々の苛酷な状況に直面した飯尾ですが、その経歴は多くのファンにとって記憶に残るものです。彼の苦労や成績を振り返ることで、野球における努力と挫折の重要性を再認識することができます。

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