飯田喜四郎

飯田喜四郎について

飯田喜四郎（いいだ きしろう）は日本の著名な建築史家であり、1924年11月22日に現在の東京・新宿区で生まれました。彼は特にフランスの中世ゴシック建築と建築保存修復学を専門とし、工学博士の学位を持つ名古屋大学の名誉教授として知られています。また、明治村の館長やNPO法人歴史建築保存再生研究所の理事として文化財の保護や修復活動にも深く関わっています。

彼の学問的な背景には、松本高等学校を経て東京大学第二工学部建築学科を卒業した後、1953年から1956年までフランスに留学した経験があります。フランス文部省文化財保護事業部にて主任建築家として実践的なスキルを磨いた後、帰国して宮内庁での勤務を経て、1963年に名古屋大学工学部の助教授に就任。その後、教授に昇進し、1988年まで同大学で教鞭を執りました。

1982年には文化庁文化財保護審議会の専門委員を務め、1997年には博物館明治村の館長に就任しました。彼はこの博物館において重要な役割を果たし、開村前の1963年に建築委員会に参加したところから、その足跡が始まります。1979年からは財団法人明治村の理事を務め、1989年からは常務理事に昇進。このような一連の活動を通じて、彼は日本における文化財の保存と修復に尽力してきました。

飯田氏の業績には多くの著書があり、建築の専門書や西洋美術に関する書籍の責任編集者としても知られています。1982年に出版された『世界の建築5 ゴシック』や1989年の『ゴシック建築のリブ・ヴォールト』など、彼の研究成果を反映した重要な著作が数多く存在します。また、彼はフランス語の文献を日本語に翻訳し、建築に関する理解を広めるために尽力しています。

彼の翻訳作品には、1970年の『ゴシック』や1978年の『カテドラルを建てた人びと』などがあり、それらは外国の知見を日本の読者に紹介する貴重な役割を果たしました。

飯田喜四郎の業績は評価され、2003年には「我が国における西洋建築史学の確立と建築文化財保存の実践に対する貢献」により日本建築学会大賞を受賞し、同年には瑞宝中綬章も受章しています。

飯田氏は日本における建築史学の発展に著しい影響を与え、数多くの保存修復プロジェクトや文化財保護事業の委員長を務めるなど、文化財の維持と更新に尽力してきました。彼のキャリアを通じて、彼は多くの建築遺産を次世代に伝えるための重要な役割を果たしてきたのです。これからも彼の業績は後世に語り継がれていくことでしょう。

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