飯野春樹

飯野 春樹（いいの はるき）

飯野春樹は、日本の経営学者であり、経済学博士号を持つ専門家として知られています。1931年2月8日に京都市で生まれた彼は、1953年に京都大学経済学部を卒業した後、同大学院の博士課程を経て、1958年に退学しました。彼の学問の道は、すぐに講師から始まり、関西大学商学部において助教授、そして教授としてのキャリアを築いていきました。1978年には商学部長に就任し、1980年には「バーナード研究」をテーマにした学位論文で経済学博士の称号を取得しました。

その後、1985年には京都大学経済学部の教授となり、1994年に定年退官するまで、数多くの学生を指導し、教育に尽力しました。その後は大阪学院大学の教授として教壇に立ちました。彼の教育理念と研究は多くの学生に影響を与え、経営学の発展に寄与しました。

著作活動

飯野春樹は、経営学や組織論に関する著作を数多く残しています。1978年に発表した『バーナード研究 その組織と管理の理論』は彼の代表作のひとつであり、バーナード理論の深い洞察を提供しています。続いて、1992年には『バーナード組織論研究』を発表し、彼の研究成果をさらに深めました。さらに、1994年には『京大の時計台 飯野春樹写真集』をリリースし、経営学だけでなく彼の感性も垣間見ることができます。

共同編著としては、1977年から1979年にかけて刊行された『経営学』全3巻や、1979年の『バーナード経営者の役割』があります。また、1981年には『ポケット経済・経営外来語辞典』を共編し、経営学に必要な用語の理解を助ける一冊も提供しています。彼は、加藤勝康との共編著『バーナード 現代社会と組織問題』や、1983年には『人間協働 経営学の巨人、バーナードに学ぶ』を手がけました。

彼は翻訳業務にも力を入れており、1956年にはC.I.バーナードの『経営者の役割 その職能と組織』を訳しました。この他にも、ロバート・H.ローイの『ヒューマン・マネジメント 人間を生かす組織と管理』など、数多くの翻訳書を世に送り出しています。また、晩年にはオリバー・E.ウィリアムソン編集の『現代組織論とバーナード』の監訳を手掛け、現代の組織理論においてもその影響力を発揮しました。

最後に

飯野春樹の業績は、日本における経営学の基盤を築いた重要な存在であり、彼の研究や著作は今なお多くの学者や実務家に引用され、参照されています。1995年7月18日に他界するまでの彼の歩みは、経営学の発展において忘れられない足跡を残しました。学問だけでなく、彼の写真集からはアカデミックな側面とは別の情緒も感じ取ることができ、彼の多才さを印象づけます。飯野春樹が私たちに残したものは、経営学に対する洞察力だけではなく、教育者としての情熱と探求の姿勢そのものでもあるのです。

もう一度検索