館山北条町

館山北条町（たてやまほうじょうまち）は、昭和戦前期のわずか6年間（1933年 - 1939年）存在した、千葉県安房郡の町です。現在の館山市の中部にあたる地域に位置していました。

1933年（昭和8年）4月18日、館山町と北条町が合併（新設合併）し、館山北条町が誕生しました。新町名については、両町の意見が対立し、最終的に両町名を連ねることで合意に至ったとされています。

しかし、その6年後の1939年（昭和14年）11月3日、館山北条町は那古町、船形町と合併し、新たに館山市が誕生することになりました。同日、館山北条町は廃止されました。

市町村合併の際、新市名についても議論が紛糾しました。旧北条町の住民は「安房市」を、旧館山町の住民は「館山市」を主張し、対立したと伝えられています。最終的には、

地図に館山湾が掲載されていること
館山海軍航空隊が所在すること

などが考慮され、「館山市」に決定しました。

鉄道

国鉄房総西線：安房北条駅（1946年に館山駅に改称）

道路

房総街道（現国道127号）

館山北条町は短命な自治体でしたが、その存在は現在の館山市の歴史を語る上で欠かせない要素となっています。町名決定の経緯や、わずか6年で消滅した背景には、当時の地域社会の複雑な事情が垣間見えます。