首座使徒ペトル・パウェル大聖堂 (サンクトペテルブルク)

ペトル・パウェル大聖堂

概要

ペトル・パウェル大聖堂（ロシア語: собор во имя первоверховных апостолов Петра и Павла、英語: Peter and Paul Cathedral）は、ロシアのサンクトペテルブルクに位置する美しい大聖堂です。この聖堂は、ペトロパヴロフスク要塞の中にあり、ロシア正教会の重要なシンボルとして知られています。一般的には、ロシア語の略称である「Петропавловский собор」という名称で呼ばれることが多く、同時にペトロパヴロフスキー大聖堂としても知られています。

歴史的背景

この大聖堂は、聖ペトロ（ペトル）と聖パウロ（パウェル）を記念して建設されました。建設は1712年に始まり、1733年に完了したのは、ロシアの皇帝ピョートル1世の命令によるものです。聖堂の尖塔は高さ123メートルであり、正教会の聖堂の中でも屈指の高さを誇ります。その尖塔の最高部には、天使の像が設置されており、サンクトペテルブルクの象徴的な存在として多くの人々に愛されています。

大聖堂の設計を手掛けたのはスイス出身の建築家ドメニコ・トレジーニであり、彼のスタイルはピョートル・バロックと称され、伝統的なロシア正教の建築様式とは一線を画しています。加えて、要塞自体の設計もトレジーニによるもので、彼の作品はロシア建築における新たな風潮を築きました。ピョートル1世がこの要塞を設立した理由は、大北方戦争の際にスウェーデン海軍からの攻撃を防ぐためであり、その防衛施設としての役割を果たしました。

皇族の霊廟

ペトル・パウェル大聖堂は、ロシア帝国の歴代の皇帝と皇后が埋葬されている霊廟としても有名です。1998年7月には、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世とその家族の遺体がこの聖堂に安置されました。彼らは1918年に処刑され、その後サンクトペテルブルクの地に戻されたのです。さらに、2006年には、ニコライ2世の母であるマリア・フョードロヴナの遺体もデンマークから返還され、再びこの大聖堂に埋葬されました。

現在の重要性

現在、ペトル・パウェル大聖堂はサンクトペテルブルクの最も重要な観光名所の一つとして、多くの観光客に訪れられています。歴史的価値と美しい建築様式を持つこの大聖堂は、ロシアの文化と宗教の象徴であり、訪れる人々に深い感動を与えています。大聖堂内には美しい装飾や、歴代の皇帝の墓所があり、その魅力をさらに高めています。観光客にとって、訪問はロシアの歴史とその美しい文化に触れる貴重な機会となります。

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