首相官邸デモ事件

首相官邸デモ事件

首相官邸デモ事件、これは1946年12月20日に東京都麹町区で発生した在日朝鮮人による暴力的な抗議活動です。この事件は、戦後の日本社会における民族間の緊張や、政治的不満の表れとされ、歴史的に重要な意義を持っています。

事件の背景

1946年11月10日、在日朝鮮人たちは「在日朝鮮人生活権擁護委員会」を結成します。この委員会は、朝鮮人への生活物資の優先配給を行政に求めるための活動を行いました。同年12月20日には、皇居前広場で「朝鮮人生活権擁護全国大会」を開催し、約1万人が参加しました。実際のデモは、その大会の後に行われることになったのです。

デモの発生

全国大会において、日本共産党の徳田球一が参加し、演説を行いました。その演説に続いて、生活権の確保を求める決議文が採択され、集会は一度終了しました。しかし、その後の午後1時30分、参加者たちは「朝鮮人虐殺政策絶対反対」や「吉田内閣は日本の敵だ」と書かれたプラカードを掲げてデモを開始しました。

デモ隊は午後2時頃に首相官邸前に差し掛かると、突然警察の制止を振り切り、官邸正門に押し寄せます。警察官たちは侵入を防ぐために門を閉じようとしましたが、デモ隊は激しく抵抗し、投石やプラカードを振り回しながら著しい混乱を引き起こしました。最終的には、デモ隊が首相官邸に侵入する事態に至ります。

警察の介入とデモ隊の解散

午後2時30分頃、アメリカ軍の憲兵隊が出動し、混乱は鎮圧されることになりました。デモ隊の参加者たちは間もなく解散させられ、警察側も23人の警官が負傷する結果となりました。この事件は、政治的な緊張を再び浮き彫りにし、日本の社会に複雑な影響を及ぼしました。

その後の処置

事件後、警察は「在日朝鮮人生活権擁護委員会」の委員長を含む10人を、暴力行為に関連して逮捕し、彼らの身柄は米軍の東京憲兵司令部に送致された。その後、米軍司令部は彼らを軍事裁判にかけ、12月26日には全員に有罪判決を下しました。さらに、翌年の3月8日には国外追放処分を受けることになりました。

結論

首相官邸デモ事件は、在日朝鮮人による抗議活動がどのようにして暴動に発展したのかを示している重要な出来事です。この事件は、戦後の日本における民族的緊張や社会的不安を象徴するものであり、その影響は今なお多くの人々の記憶に残っています。この事件を通じて、歴史を理解し、さまざまな視点から議論することが求められると言えるでしょう。

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