首都大司教

首都大司教とは

首都大司教（しゅとだいしきょう、希: Μητροπολίτης、羅: Metropolita、英: Metropolitan bishop）は、キリスト教、特にカトリック教会における重要な聖職の階級の一つです。この役職は、教会管区における裁治権を持つ司教を指し、管区大司教とも呼ばれます。歴史的には、正教会における府主教（Metropolitan bishop）と共通の起源を持ち、ギリシャ語名も両教会で同じものが使用されています。

本稿では、主にカトリック教会における首都大司教の制度について解説します。

首都大司教の役割と権限

首都大司教は、管区内の司教たちを招集する権利と義務を有しています。これは、管区内の教会運営や重要事項について、司教たちが集まって協議し、意思決定を行うために不可欠な役割です。ただし、カトリック教会において全司教に対する裁治権を持つのは、ローマ司教、すなわちローマ教皇のみです。

首都大司教には、ローマ教皇によって祝別された「パリウム」が授与されます。このパリウムは、羊毛でできた帯状の装飾品であり、首都大司教の権威と、ローマ教皇との結びつきを象徴するものです。

大司教の権限は、配下の司教たちに対する相談役としての役割が主であり、自身の教区における教会禄の管理を行います。つまり、他の司教の教区に直接的な裁治権を持つわけではありませんが、管区全体の司教たちをまとめて、教会運営を円滑に進めるための重要な役割を担っています。

日本における首都大司教

日本には、長崎教会管区、東京教会管区、大阪教会管区という3つの教会管区が設置されており、それぞれに首都大司教が選任されています。これらの首都大司教は、それぞれの管区内でカトリック教会の発展と信徒の指導にあたっています。

関連用語

* 府主教: 正教会における同様の役職。カトリック教会の首都大司教と歴史的な起源を共有しています。

まとめ

首都大司教は、カトリック教会において、管区内の司教たちを統括し、教会運営を円滑に進める上で不可欠な存在です。ローマ教皇からパリウムを授与され、その権威を象徴する一方で、自教区の管理に責任を持ちつつ、管区全体の司教たちをまとめていくという重要な役割を担っています。

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