香取航空基地

香取航空基地について

香取航空基地（かとりこうくうきち）は、日本の大日本帝国陸海軍が使用していた航空基地です。この基地は、現在の千葉県匝瑳市と旭市にまたがって位置していました。基地の建設は1938年（昭和13年）に決定され、1942年（昭和17年）頃に完成しました。本基地は、第二次世界大戦の影響を受け、多くの重要な歴史的事件を経て役割を果たしました。

基地の役割と歴史

香取航空基地の最も顕著な出来事の一つは、1945年2月に本州から初めて神風特攻隊が硫黄島に向けて出撃したことです。この特攻隊は、日本の戦局を有利に導くための切り札として期待されていましたが、終戦を迎える1945年10月まで本基地は活動を続けていました。正式には「海軍香取航空基地」と称され、通称香取飛行場とも呼ばれます。基盤があった場所には、現在あさひ鎌数工業団地が形成されています。

この航空基地には、南東と北西にそれぞれ1400m、南西と北東に1500mの滑走路があり、互いに十字型で交差する独特な配置でした。また、主要な建物群は基地の西側に存在していました。

現在の遺構

香取航空基地の遺構はいくつか現存しています。具体的には、北西の角に位置する田圃内には航空機用の有蓋掩体壕が二基存在し、さらに南東の鎌数伊勢大神宮の近くにも大型機用の掩体壕があります。これらの掩体壕は個人の所有物となっていますが、歴史的な価値を持つ遺構です。加えて、工業団地の西側には当時の前庭舗装の名残が見られ、滑走路の跡地には一部日清紡ブレーキの自動車テストコースにて残されています。

関係する人物

香取航空基地には、影絵作家の藤城清治氏も関連しています。彼は太平洋戦争中に海軍予備学生としてこの基地に配属され、後にその経験が彼の創作活動に影響を与えることとなりました。

その他の情報

香取航空基地に関連した施設として、銚子駅の駅舎が挙げられます。ここは戦後、香取航空基地の飛行機格納庫を改装して再建されたもので、歴史的価値を持っています。また、1976年には戦没者慰霊碑が旭緑地公園に建立され、ここには自衛隊機の展示も行われています。さらに、1984年には映画『零戦燃ゆ』のロケ地としても活用されました。

香取航空基地は、かつての軍事活動の痕跡を今に伝える貴重な場所であり、その歴史を刻む様々な遺構や人々の記憶は、未来世代にとっても重要な教訓や思い出となることでしょう。

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