香川県道173号高松停車場栗林公園線

香川県道173号 高松停車場栗林公園線

香川県高松市内を縦断する主要な県道の一つに、香川県道173号 高松停車場栗林公園線（かがわけんどう173ごう たかまつていしゃじょうりつりんこうえんせん）があります。この路線は、高松市の玄関口であるJR高松駅から、日本有数の庭園として知られる国の特別名勝・栗林公園までを結んでいます。

概要

高松停車場栗林公園線は、高松市中心部の西側を南北に走り、主要な公共施設や商業地域を結んでいます。特に、香川県庁舎の前を通る区間が長いため、その大部分は「県庁前通り」の愛称で広く知られています。また、この路線はJR高松駅や香川県庁などが集まる番町地区を経由しており、高松市中心市街地における主要な交通軸としての役割を担っています。沿線には多くの官公庁や学校、商業施設が立ち並び、都市活動に欠かせないインフラとなっています。

路線データは以下の通りです。

起点: 香川県高松市寿町一丁目（高松駅前交差点、国道30号に接続）
終点: 香川県高松市中野町（栗林公園北門付近）
総延長: 2.381 km
実延長: 2.381 km（重複区間はありません）
最高速度: 40 km/h

幅員や車線数は区間によって大きく異なります。起点の高松駅前から西の丸町交差点までは幅員20mで2車線、西の丸町交差点から錦町交差点にかけては幅員32mで6車線と広がり、この区間は「瀬戸大橋通り」の一部でもあります。錦町交差点から番町1丁目交差点までは幅員15mで2車線に絞られ、「県庁前通り」の愛称区間に入ります。番町1丁目交差点から天神前交差点は幅員22mの2車線となり、天神前交差点から終点までは幅員12mの2車線で、「栗林公園きたもん通り」と呼ばれます。

また、番町1丁目交差点と天神前交差点はクランク状の複雑な形状をしており、信号機の時差や右折時の通行方法が通常の交差点とは異なるため、通行には注意が必要です。

成立過程と歴史

香川県道173号の現在のルートは、一度に整備されたものではありません。高松城の城下町時代から存在する古い道を拡幅した部分と、第二次世界大戦後の区画整理事業によって新たに造られた部分が組み合わさっています。その成立過程は大きく4つの区間に分けられ、それぞれの歴史的背景が現在の路線の特徴に影響を与えています。

1. 臨港部（起点 - 瀬戸大橋通り）: この区間は、サンポート高松の整備に伴う土地区画整理事業によりルートが変更されました。かつては高松駅仮駅舎付近を斜めに通り、現在のバスターミナル前で合流するルートでしたが、現在は瀬戸大橋通りと一時的に重複する変則的な経路をとっています。旧道の跡地は、ことでん高松築港駅の高架予定地や高松駅舎の一部に利用されています。この旧ルートの一部は、かつて路面電車「高松琴平電気鉄道市内線」の軌道が敷かれていた場所でもあります。
2. 北部（瀬戸大橋通り - 番町1丁目交差点）: 戦前には道路自体が存在せず、寺院や宅地が広がっていた場所です。戦災復興土地区画整理事業によってこの道路が計画・建設され、周辺の道路配置も大きく変わりました。
3. 中部（番町1丁目交差点 - 天神前交差点）: 戦前は狭い小道でしたが、後に県道として拡幅されました。かつてこの地域の主要な南北軸は、現在も県道に並行して存在する市道（市道天神前五番町線）であり、そこには路面電車が走っていました。
4. 南部（天神前交差点 - 終点）: 「八本松」とも呼ばれるこの区間は、戦前から存在する歴史ある通りです。かつてはここにも路面電車の軌道が敷かれていました。2010年には「栗林公園きたもん通り」の愛称が付けられました。

これらの成立過程が異なる区間が接続する箇所（番町1丁目交差点、天神前交差点など）は、歴史的な経緯を残すかのようにクランク状の変則的な交差点となっています。

都市計画道路指定

香川県道173号は、全線が都市計画道路として指定されています。指定名は「高松駅前線」「高松海岸線」「浜ノ町栗林公園線」の3つに分かれています。

都市計画道路 高松駅前線: 高松駅前交差点から西の丸町交差点までの区間が該当します。1992年（平成4年）12月11日に指定されました。
都市計画道路 高松海岸線: 西の丸町交差点から錦町交差点までの区間が該当します。この区間は市道高松海岸線とも重複しています。指定は1946年（昭和21年）6月5日と古く、戦災復興期に計画されました。
都市計画道路 浜ノ町栗林公園線: 錦町交差点から終点の栗林公園前までの区間が該当します。こちらも高松海岸線と同様に1946年（昭和21年）6月5日に指定されています。

これらの都市計画道路指定は、路線の整備や沿道の開発における重要な指針となっています。

愛称

路線全体で複数の愛称が使われています。

瀬戸大橋通り: 西の丸町交差点から錦町交差点までの区間。さぬき浜街道の一部でもあります。
県庁前通り: 錦町交差点から天神前交差点までの区間。香川県庁舎の前に位置することに由来します。
栗林公園きたもん通り: 天神前交差点から終点までの区間。栗林公園の北門へ至る道として、2010年（平成22年）11月23日に命名されました。

地理

通過する自治体

香川県高松市

沿線

JR四国 高松駅
香川県高松北警察署
NHK高松放送局
高松市役所
香川県立高松高等学校
高松赤十字病院
香川県警察本部
香川大学教育学部附属高松小学校
英明高等学校

関連項目

香川県の県道一覧
* 高松琴平電気鉄道市内線: かつて高松市内に存在した路面電車。その一部ルートは現在の県道173号と重なっています。

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