馬のシッポ ぶたのシッポ

「馬のシッポ ぶたのシッポ」：坂本九さんの忘れえぬ名曲

1983年、NHKの音楽番組『みんなのうた』で放送され、多くの人々の心に刻まれた名曲「馬のシッポ ぶたのシッポ」。作詞は阿部日登美氏、作曲は山本直純氏、編曲はたかしまあきひこ氏、そして歌は国民的歌手として愛された坂本九さんとNHK東京児童合唱団が務めました。

この曲は、ツインテールヘアの少女に心を奪われた少年の気持ちを、可愛らしい歌詞とメロディーで表現しています。タイトルの「馬のシッポ」と「豚のシッポ」は、少女のツインテールをユニークに表現した比喩表現と言えるでしょう。

楽曲誕生のきっかけは、1983年5月5日、NHKテレビ開局30周年記念として開催された「こどもの日うたのフェスティバル」での「こどものうたコンクール」でした。このコンクールで阿部日登美氏の作詞による「馬のシッポ ぶたのシッポ」は見事、作詞部門の優秀賞を受賞。審査員を務めていた山本直純氏が作曲を担当し、完成度の高い楽曲へと昇華していきました。

同年8月、『みんなのうた』で放送されると、その可愛らしいメロディーと歌詞は瞬く間に多くの子供たちの心を掴みました。そして同年8月21日には、同じく『みんなのうた』で放送されたデューク・エイセスの「夢みる子ねこ」とのカップリングでシングルレコードが発売され、大きな話題となりました。

坂本九さんにとって「馬のシッポ ぶたのシッポ」は、1969年12月放送の「あしたに賭ける数え歌」以来、久しぶりの『みんなのうた』出演作品となりました。しかし、皮肉にもこの曲が、坂本九さんの『みんなのうた』出演最後の作品となってしまいました。1985年8月12日、日本航空123便墜落事故で急逝されたからです。

事故後、しばらくの間は再放送されることはありませんでしたが、27年後の2010年8月、坂本九さんの物故後初の再放送が実現しました。そして、事故から30年となる2015年8月には、ラジオで限定的に再放送されました。これらの再放送は、多くの人々にとって、坂本九さんの歌声を再び聴くことができる貴重な機会となりました。

また、「馬のシッポ ぶたのシッポ」は、田中星児さんと少年少女合唱団みずうみによるカバーバージョンも存在します。このカバーバージョンは、1989年発売の『決定版NHKみんなのうたヒット集』などに収録されており、現在も聴くことができます。

「馬のシッポ ぶたのシッポ」は、その可愛らしいメロディーと歌詞、そして坂本九さんの優しい歌声によって、多くの人々の記憶に刻まれた名曲です。時代を超えて愛され続けるこの楽曲は、これからも子供たちの心を優しく包み続けることでしょう。

この曲は、単なる子供向けの楽曲という枠を超え、世代を超えて愛される普遍的な魅力を持っています。それは、単純ながらも心に響く歌詞、覚えやすく親しみやすいメロディー、そして何よりも坂本九さんの温かい歌声によるところが大きいでしょう。 時代を超えて、多くの人々に歌い継がれ、愛され続ける名曲として、これからもその魅力は失われることはないでしょう。

もう一度検索