馬場璋造

馬場璋造(1935年-2021年)氏は、日本の建築界に多大な貢献をした建築評論家、建築批評家、建築史家、編集者、そしてジャーナリストでした。埼玉県川越市に生まれ、早稲田大学で建築学科と経済学科を卒業後、1959年に新建築社に入社しました。

新建築社では、編集者として建築界の発展に貢献し、1972年には取締役編集長に就任。建築雑誌を通して、日本の建築文化の普及に尽力しました。その鋭い洞察力と深い知識に基づいた評論は、建築界に大きな影響を与え、数多くの建築家の育成にも貢献しました。

1989年には、権威ある「高松宮殿下記念世界文化賞」建築部門の選考委員に就任。建築における優れた業績を持つ人物を選定する重要な役割を担いました。氏の公平な視点と専門的な知識は、選考過程に大きな信頼性をもたらしました。

編集活動以外にも、馬場氏は建築界において幅広く活躍しました。1990年には建築情報システム研究所を設立し、建築情報のデジタル化や共有化に貢献。さらに、日本建築学会理事(1992年)や日本文化デザイン会議福岡議長(1995年)などを歴任し、建築界における組織運営にも携わりました。

コンペティションにおいても、その専門知識と公平な判断力から、高い評価を得ていました。数々の国際的な設計競技で審査員を務め、多くの優れた建築作品の誕生に貢献しました。例えば、さいたまスキップ・シティ技術提案競技審査委員長や、ブリーゼタワー国際指名設計競技審査員などを歴任しました。また、川越市景観賞選考委員長として、故郷である川越市の景観保全にも尽力しました。

建築界への長年の貢献が認められ、2002年には日本建築学会賞業績賞を受賞。これは、建築分野における最高の栄誉の一つです。

馬場氏は、『生残る建築家像』や『日本建築界の明日へ』など、多くの著作を執筆しました。これらの著作は、建築界の未来を見据えた鋭い分析と示唆に富んでおり、現在も多くの建築関係者から高く評価されています。

2021年12月20日、老衰のため逝去されました。その逝去は、日本の建築界に大きな損失をもたらしましたが、氏の功績は、建築史に永遠に刻み込まれるでしょう。馬場璋造氏の建築への情熱と貢献は、後世の建築家たちに大きな影響を与え続け、日本の建築文化の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。

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