馬背峠

馬背峠（まじょうとうげ）

馬背峠は福井県敦賀市と三方郡美浜町にまたがる峠で、福井県道33号佐田竹波敦賀線の旧道が通っています。標高170mと比較的低いこの峠は、敦賀半島の中心に位置しており、西方ヶ岳と三内山を結ぶ鞍部を超えています。また、周囲には数多くの海水浴場が点在しており、これらへの重要なアクセス道路としても機能しています。

峠の特徴

馬背峠はその標高に対して著しい地形を持っており、海岸から急激に山を越えるため、道の曲がり具合は厳しいものとなっています。この特徴は特に敦賀側で顕著で、急峻な勾配と連続するカーブがドライバーにとっては挑戦となるでしょう。幸いにもカーブミラーが設置されており、片側一車線が確保されているため、安全性には一定の配慮がなされています。

道路の現状

2009年11月、馬背峠の直下に新たに整備された「馬背峠トンネル」が開通しました。このトンネルの建設は、2004年に発生した関西電力美浜発電所の蒸気漏れ事故を受けて、地域住民が当時の経済産業大臣に要望を行ったことから始まりました。トンネルの建設に伴い、旧道の利用は制限されており、トンネル手前から峠への通行が禁止されています。

旧道は依然として存在しており、特に夏季には多くの海水浴客が利用していますが、その交通量の多さから渋滞が頻発する現象も見受けられます。県外ナンバーの車両が多く見られるのも特徴で、海水浴シーズン以外は周辺の発電所関係者を除くドライバーはあまり通行しないのが実情です。

馬背峠トンネルの詳細

馬背峠トンネルは、原子力発電所の災害時の避難路確保を目的として整備されました。トンネルの工事費用は、原子力発電所に関連する安全対策の交付金で賄われたため地元の負担は無く、全体で約27億円をかけて実施されています。具体的なトンネルの特徴としては、以下の点が挙げられます。

• - 区間: 美浜町竹波 - 敦賀市縄間
• - 事業主体: 福井県
• - 事業期間: 2005年度から2009年度（2009年11月11日より供用開始）
• - 延長: 1,405m（整備延長は1,900m）
• - 幅員: 9.25m（車道部分は6.0m）
• - 事業費: 約20億円（事業全体として約27億円）

このように馬背峠は、地域の交通の要所であると同時に、自然の地形に影響を受けた独特の道路状況を持っています。海水浴客や観光客にとって大切なアクセス道であり、地域の景観とも調和しています。従って、しっかりとした整備が施されたこの峠道は、今後も多くの訪問者に利用されることでしょう。

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