馬見丘陵公園

奈良県のほぼ中央、北葛城郡に位置する馬見丘陵公園は、馬見丘陵内に点在する古墳群の保全と活用を目的として整備された、県内有数の広域公園です。

この公園の歴史は古く、奈良公園に次ぐ県内二番目の広域公園として、1984年に事業が着手されました。そして長い年月を経て整備が進められ、2012年6月に全面開園に至りました。計画面積は約65ヘクタールにも及び、その広大な敷地には多種多様な魅力が詰まっています。

園内は大きく四つのエリアに分かれています。近鉄田原本線池部駅に隣接し、散策路が続く緑道エリア。子供向けの大型遊具や広場があり、家族連れに人気の北エリア。史跡であるナガレ山古墳や乙女山古墳を中心に、美しい花々が集まる公園の中核、中央エリア。そして最南端に位置し、隣接する竹取公園とも結ばれている南エリアです。北エリアと中央エリア、また中央エリアと南エリアはそれぞれ連絡通路や橋で接続されており、エリア間を移動して広範囲を楽しむことができます。

公園の最大の特色は、馬見古墳群という歴史的な舞台の中に広がっている点です。園内にはナガレ山古墳、乙女山古墳、狐塚古墳など、多数の古墳が現存しており、散策しながらいにしえの息吹を感じることができます。

各エリアには様々な施設が設けられています。北エリアには広々とした大芝生広場、木製遊具、砂場、夏に水遊びができる徒渉池などがあり、子供たちが思い切り体を動かせます。馬見花苑では約5,000㎡の大花壇に四季折々の花が咲き誇り、彩の広場では夏にはヒマワリ、秋にはダリアやコスモスが見事な景観を作り出します。

中央エリアは特に花の見どころが多く、春のチューリップに始まり、バラ園、菖蒲園、あじさい園など、一年を通して様々な花が園内を彩ります。睡蓮の池や梅林もあり、季節ごとに違った表情を見せます。中央エリアにある公園館は、古墳や自然を紹介する展示室と展望台を備えており、公園の概要を知るのに最適です。

公園は入園無料ですが、駐車場は時間制限があります（通常期は18時までなど）。無料の駐車場は臨時を含めると800台以上収容可能ですが、休日などは大変混雑することが多いため、公共交通機関の利用も検討すると良いでしょう。最寄りの公共交通機関は近鉄田原本線池部駅（緑道北口）、近鉄大阪線五位堂駅または大和高田駅（バス利用）などがあり、各入口へのアクセスが可能です。

また、馬見丘陵公園は大規模イベントの会場としても知られています。2010年には全国都市緑化ならフェアのメイン会場となり、2014年からは毎年春に開催される「馬見チューリップフェア」には多くの来場者が訪れ、色とりどりのチューリップが公園を華やかに彩ります。

来園する際は、ゴミ箱がないため持ち帰りの協力が必要です。また、園内にはやぶが多いため、マムシ注意の看板に従い、足元に注意しながら散策を楽しんでください。

馬見丘陵公園は、歴史的な遺産と豊かな自然、そしてレクリエーション施設が一体となった、多角的な魅力を持つ都市公園です。家族での休日や散策、自然や歴史の探求など、様々な目的で多くの人々が訪れる、奈良県を代表する憩いの場となっています。

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