駿河侵攻

駿河侵攻

駿河侵攻（するがしんこう）は、戦国時代における武田信玄による大規模な軍事行動であり、1568年から1571年にかけて行われました。この侵攻は、甲斐国の武田氏が今川氏や後北条氏の領地に対して行ったもので、戦国時代の日本において大きな影響を与えました。

侵攻の経緯と背景

駿河侵攻に至る前、1560年の桶狭間の戦いで今川義元が敗死し、今川家の権威は低下しました。その後、今川氏と松平氏（後の徳川氏）との間での戦闘が続き、今川領国は弱体化の一途をたどっていました。1563年には遠州での反乱も報告され、情勢は混乱を極めていました。

武田信玄は、今川と北条が連携して武田を挟撃しようとしているとの情報を得て、侵攻の準備を整えます。1568年には駿河に対する攻撃を開始する計画が整い、12月に駿河侵攻が始まりました。特に、氏真が上杉に情報を漏らしたことで、武田の側に状況が有利に動きました。

侵攻の形態

侵攻は主に富士郡から始まった。武田軍はまず大宮城を攻撃しましたが、当初は防衛に成功した今川家臣もいました。しかし、徐々に多くの家臣が武田側に寝返り、今川軍は戦うことなく敗北。12月13日、武田軍は駿府に進み、今川氏真は逃走を余儀なくされました。この時、今川氏は一気にその領地を失うことになり、北条氏との関係も悪化していきます。

さらなる戦闘と撤退

信玄はその後も局面を優位に進め、駿河の制圧を試みましたが、北条氏との連携もありなかなか形勢が安定しません。武田は、懸川城と大宮城に至る攻撃を続け、ついには大宮城を攻略します。しかし、情勢の変化により武田軍も困難な戦局に陥ります。

特に、北条氏政が武田に対抗するため連携を強化し、武田軍にとって脅威となりました。こうした混乱の中、武田氏と徳川氏との間でもいざこざが発生し、徳川氏が武田氏の行動に抗議する場面も見られました。

駿河の占領とその後

元亀元年（1570年）には、北条氏の影響力を排除した武田信玄が駿府を完全に占有しました。この状態は、北条氏康の死去や徳川家康との講和へとつながります。結果的に武田氏は駿河をほぼ完全に支配することに成功しました。

しかし、戦の影響を受けた地域では、内戦や民の動揺が生じ、これらの問題は後の時代に影響を与えました。1590年には北条氏が滅び、武田氏もまたその後の歴史の波に呑まれることになります。

結論

駿河侵攻は、戦国時代における領地拡張戦略の一環として重要な役割を果たしました。それは武田氏と北条氏、徳川氏との関係を大きく変化させ、戦国の群雄割拠の状況に深く関わる出来事となったのです。武田信玄の侵攻は一方で勢力を拡大させ、一方では信長との関係にも影響を与える結果となりました。

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