騙り商法

騙り商法とは

騙り商法とは、販売員が自身の職業を偽ったり、公的機関の職員であるかのように装ったりして、消費者に商品を販売したり、サービス契約を結ばせたりする行為を指します。これは、単なる商法というよりも、詐欺や悪徳商法に分類されるべき行為です。騙り詐欺とも呼ばれます。

概要

騙り商法で販売員が騙る職業は、自治体の職員（消防職員、水道局職員など）が多い傾向にあります。彼らは、公的機関や知人の誰か、あるいはその代理になりすまして、被害者を信用させ、金銭をだまし取ったり、不必要な物品を売りつけたりします。特殊詐欺もこの一種ですが、本項では、対面して相手を欺く手法を中心に解説します。

騙り詐欺は、詐欺の手法としては古典的で、身分を偽り、相手を信用させて騙すことを基本としています。口頭で丸め込むだけでなく、様々な小道具を使用し、徐々に信用させる場合もあります。

公的機関を名乗る際には、それらしい制服を着用したり、警察や役所、官庁名を騙ったりします。例えば、「消火器」、「ガス警報器」、「表札」などを売りつける事例が警察庁から注意喚起されています。これらの手口は、被害者の善意や義務感に付け込むことが多く、架空の規則やルールをでっち上げて商品を売りつけようとします。また、警察官を装って家に上がり込み、捜査協力と称して銀行のカードを預かり、暗証番号を聞き出すケースも報告されています。

騙り詐欺は、基本的に金銭を目的とする営利詐欺ですが、まれに相手を欺くこと自体を目的とする場合もあります。例えば、重婚をして二重生活を送るようなケースが挙げられます。

手口の例

「電話局から来ました」と偽り、高額な電話機を購入させる。
消防署員を装い、「消火器の点検が必要です」と言って家に上がり込む。
水道局員を名乗り、「水道管の点検が必要です」と言って、高額な浄水器を売りつける。
警察官になりすまし、「捜査協力」と称して個人情報を聞き出す。

有名な騙り詐欺事件

歴史上には、多くの騙り詐欺事件が存在し、それらは映画やドラマの題材にもなっています。

首飾り事件 - マリー・アントワネットの首飾りを巡る詐欺事件。
フランク・アバグネイル - 詐欺師として有名な人物。映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のモデル。
クヒオ大佐結婚詐欺事件 - 結婚詐欺師を題材にした事件。
三億円事件 - 日本の未解決事件として有名な事件。犯人が警察官を騙った説がある。
有栖川宮詐欺事件 - 有栖川宮を騙った詐欺事件。

注意点

身分証の提示を求める。
安易に個人情報を教えない。
その場で契約や支払いをしない。
不審な勧誘には、きっぱりと断る。
少しでも不審に思ったら、警察や消費生活センターに相談する。

関連法規

騙り商法は、特定商取引法などの関連法規に抵触する可能性があります。消費者は、クーリングオフ制度を利用できる場合もあります。

関連項目

特定商取引法
クーリングオフ
訪問販売
特殊詐欺

外部リンク

* 要警戒！地震災害に便乗した悪質商法 - 国民生活センター

もう一度検索