骨棘

骨棘（Osteophyte）

骨棘とは、関節部分の骨が、何らかの刺激を受けて過剰に増殖することで形成される、棘状の骨の突起のことです。これは外骨腫の一種であり、関節の辺縁や靭帯・腱の付着部などによく見られます。

骨棘の原因

骨棘の主な原因は、以下のものが考えられます。

加齢: 関節軟骨の摩耗が進み、関節に負担がかかることで骨棘が形成されやすくなります。
変形性関節症: 関節軟骨の変性・摩耗によって炎症が起こり、骨棘が形成されることがあります。
外傷: 過去の骨折や捻挫などが原因で、関節に負担がかかり骨棘が形成されることがあります。
過度の運動: 特定の関節に繰り返し負担をかけることで、骨棘が形成されることがあります。

骨棘の症状

骨棘は、必ずしも症状を引き起こすわけではありません。しかし、骨棘が大きくなったり、神経や血管を圧迫したりすると、以下のような症状が現れることがあります。

痛み: 関節の周辺に痛みが生じます。特に、運動時や圧迫時に痛みが強くなることがあります。
関節の可動域制限: 骨棘が関節の動きを妨げることで、関節の可動域が狭くなることがあります。
神経症状: 骨棘が神経を圧迫することで、痺れや麻痺が生じることがあります。
炎症: 骨棘の周辺組織に炎症が起こり、腫れや熱感が生じることがあります。

骨棘の診断

骨棘の診断は、主に以下の方法で行われます。

レントゲン検査: レントゲン撮影によって、骨棘の有無や大きさを確認することができます。
CT検査: より詳細な骨の状態を確認するために、CT検査が行われることがあります。
MRI検査: 軟骨や靭帯の状態、神経の圧迫の有無などを確認するために、MRI検査が行われることがあります。

骨棘の治療

骨棘の治療は、症状の程度や原因によって異なります。主な治療法としては、以下のものがあります。

保存療法: 痛み止めや湿布などの薬物療法、リハビリテーション、装具療法などが行われます。これらの治療は、痛みを軽減し、関節の機能を改善することを目的としています。
手術療法: 保存療法で症状が改善しない場合や、神経圧迫が強い場合には、手術が行われることがあります。手術では、骨棘の切除や関節の固定などが行われます。

骨棘と間違えやすい病変

Enthesophyte: 靭帯や腱が付着する部位に形成される骨の隆起で、骨棘と混同されることがあります。
ヘバーデン結節: 指の第一関節にできる骨の隆起で、変形性関節症の一種です。
ブシャール結節: 指の第二関節にできる骨の隆起で、変形性関節症の一種です。

骨棘は、多くの場合、加齢に伴う変化の一つですが、症状が強い場合には適切な治療が必要です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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