骨炎

骨炎（こつえん、英: osteitis）は、骨の炎症を表す包括的な医学用語です。骨の組織に炎症が生じている状態全般を指し、原因や発症部位、炎症の程度によって様々な種類があります。

具体的には、以下の様な疾患が骨炎として分類されます。

嚢胞性線維性骨炎（嚢胞線維症性骨炎）：線維性骨炎、または骨のフォン・レックリングハウゼン病とも呼ばれます。骨組織が線維組織に置き換わり、嚢胞（液体の詰まった袋）が形成される疾患です。骨の変形や脆弱化を引き起こします。
変形性骨炎：骨のパジェット病とも呼ばれます。骨の代謝異常により、骨の肥大や変形が生じる疾患です。痛みや関節炎、骨折のリスクを高めます。
恥骨骨炎：恥骨結合（左右の恥骨をつなぐ部分）に炎症が生じる疾患です。スポーツ選手や出産後の女性に多く見られ、鼠径部や下腹部の痛みを引き起こします。
放射線性骨炎：放射線治療によって骨組織が損傷を受け、炎症が生じる疾患です。放射線治療の副作用として起こることがあります。
硬化性骨炎：骨の密度が増加し、硬くなる骨炎です。
腸骨硬化性骨炎：腸骨（骨盤の一部）に硬化性変化が見られる骨炎です。

動物における骨炎

特にウマの場合、足の骨炎は蹄葉炎（ていようえん）と誤診されやすいことが知られています。蹄葉炎は蹄の内部組織の炎症であり、重度の跛行（はこう：足を引きずる症状）を引き起こします。骨炎と蹄葉炎は症状が似ているため、獣医師による慎重な鑑別診断が必要です。

骨炎の診断と治療

骨炎の診断には、レントゲン検査、CT検査、MRI検査などの画像検査が用いられます。血液検査や骨生検が行われることもあります。治療法は、原因や炎症の程度によって異なりますが、一般的には、鎮痛剤や抗炎症薬による薬物療法、物理療法、手術療法などが行われます。感染が原因の場合は、抗菌薬が使用されます。

骨炎は、原因を特定し、適切な治療を行うことで症状の改善が期待できます。しかし、重症化すると、骨の変形や機能障害が残ることもあります。早期の診断と治療が重要です。

関連事項

* 骨軟骨炎：骨と軟骨の両方に炎症が生じる疾患です。

骨炎は、様々な原因で発症する可能性があり、症状も多岐にわたります。骨に痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

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