高元勲

高元勲の生涯と業績

高元勲（コ・ウォンフン、1881年2月29日 - 1950年）は、日本統治下の朝鮮で著名な官僚であり企業家として知られています。彼の生まれ故郷は慶尚北道の山陽面薪田里で、明治大学に留学の後、1910年に法学の学位を取得しました。その後、朝鮮総督府に警部として採用され、1913年には普成法律商業学校に教授として勤務し、さらに1920年からは校長を務めました。この学校は朝鮮人が設立した最初の専門学校の一つであり、高元勲はこの新たな知識機関の発展に寄与する存在となりました。

1920年代には、普通教育の方針に関し「内鮮共学」に強く反対し、教育分野での改革に積極的に取り組みましたが、期待する成果には至らず、次第に官僚への道に進む決断をしました。1924年には朝鮮総督府の中枢院参議に任命され、以降、各地域で参与官を歴任することになります。彼の公職での活動は評価され、功労者名簿にもその名が記載されました。

1930年代後半からは、日本の戦争支援に積極的に関与し、多くの講演活動を通じて帝国主義を支持する姿勢を見せました。特に1938年には「日本の守護神になろう」という発言をし、内鮮一体の推進を呼びかけるなど、戦時体制下での活動を展開しました。また、国民総力朝鮮同盟や興亜報国団の結成にも関与し、常任委員としての役割を果たしました。

彼は企業人としても名を馳せ、朝鮮航空工業株式会社の設立に関わり、戦争に必要な航空機の生産に寄与しました。この会社設立は、日帝の侵略戦争に利用されることを意味していましたが、高元勲はその経済的利益を追求し続けました。

1945年、彼は戦争の終焉と共に朝鮮戦争に巻き込まれ、拉致されたとされています。彼の最期は江界近くでの強制収容中と伝えられ、1950年11月に死亡したとされています。

死後の評価

高元勲の活動は、彼の死後多くの議論を呼びました。2000年代に入ると、彼は親日派とされ、国会議員の会などによって「親日派708人名簿」に名前が記載されました。また、高麗大学校の清算委員会や、親日反民族行為真相糾明委員会の名簿にも含まれるなど、彼の評価は厳しいものとなりました。これにより、彼の業績は評価される一方で、批判の対象ともなり、その人物像は複雑に捉えられています。

高元勲の人生は、日本統治下の朝鮮における権力の動きや教育、企業活動、さらには戦時中の政治的立場の変化を象徴しているといえるでしょう。彼の業績は、日本の影響下における朝鮮社会の変遷を理解する上で興味深い存在となっています。

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