高層ビル・都市居住協議会

高層ビル・都市居住協議会（Council on Tall Buildings and Urban Habitat、CTBUH）は、高層ビルの計画、設計、建設、そして運営に関する国際的な非営利団体です。1969年に設立され、その活動は高層建築に関する知識と技術の向上、そして都市環境の改善を目指しています。

設立と初期の活動

CTBUHは、1969年に国際構造工学会（IABSE）と米国土木学会（ASCE）の共同イニシアチブとして、高層ビル合同委員会（Joint Committee on Tall Buildings）として誕生しました。この委員会は、当時急速に進んでいた高層建築技術の進歩に対応するため、専門家間の情報交換と連携を促進することを目的としていました。設立から間もない1971年には、第1回高層ビル合同委員会地域会議がフランスのパリで開催され、国際的な議論の場が設けられました。

1972年には、米国ペンシルベニア州ベスレヘムで第1回高層ビル合同委員会世界会議が開催され、テーマは「高層ビルの計画と設計」でした。この会議は、世界中の専門家が一堂に会し、高層建築の分野における最先端の知識と技術を共有する重要な機会となりました。

CTBUHへの改組と世界会議の開催

1976年、高層ビル合同委員会は、その活動範囲を都市環境全体へと広げるため、高層ビル・都市居住協議会（Council on Tall Buildings and Urban Habitat）へと改組されました。この改組は、高層ビルが都市に与える影響をより包括的に捉え、持続可能な都市開発に貢献するという新たな目標を明確にするものでした。

1977年には、フランスのパリで第2回世界会議が開催され、「2001：生活と仕事のための都市空間」というテーマで、将来の都市空間に関する議論が行われました。その後も、1986年にシカゴ（「摩天楼の第二世紀」）、1990年に香港（「高層ビル：2000年とその後」）、1995年にアムステルダム（「居住と高層：伝統と革新」）など、世界各地で世界会議が開催され、高層建築の分野における最新の動向と課題について活発な議論が展開されました。

21世紀に入ってからのCTBUH

21世紀に入ってからも、CTBUHは高層建築の分野における主要な国際機関としての役割を果たし続けています。2001年にはメルボルンで第6回世界会議（「3千年紀の都市」）、2005年にはニューヨークで第7回世界会議（「都市景観の更新」）が開催されました。

2004年には、本部が設立当初の場所であったベスレヘムからシカゴのイリノイ工科大学へと移転されました。この移転は、CTBUHがより学術的な研究と連携を強化する上で重要なステップとなりました。また、1997年に開設されたウェブサイトを通じて、世界中の専門家や関係者への情報発信を積極的に行っています。

CTBUHの活動は、単に高層ビルの設計や建設技術の向上に留まらず、都市の持続可能性、居住者の快適性、そして都市景観の向上といった、より広範な課題に取り組んでいます。その活動は、高層建築の分野における国際的な連携を深め、より良い都市環境の実現に貢献しています。

CTBUHの主な活動

高層ビルに関する研究と情報共有
国際会議やセミナーの開催
出版物の発行
高層ビルの認定とランキング
専門家ネットワークの構築

CTBUHは、高層建築の分野における専門知識と経験を結集し、世界中の都市がより持続可能で、居住者に優しい場所となるように、これからも活動を続けていきます。

参考情報

Council on Tall Buildings and Urban Habitat （https://www.ctbuh.org/）

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