高山村 (長野県)

高山村：自然と歴史が織りなす魅力

長野県北東部に位置する高山村は、周囲を山々に囲まれた静かで美しい村です。万座山、笠ヶ岳、中倉山といった雄大な山々と、松川の流れが織りなす景観は、訪れる人を魅了します。

ユネスコエコパークとしての高山村

高山村は、その豊かな自然環境から、1980年に志賀高原ユネスコパークとして生物圏保存地域に指定されました。その後、2014年には村全域がユネスコエコパークとして登録され、その自然保護への取り組みは高く評価されています。低山から河岸段丘まで多様な地形と、人工林、雑木林、農地などが共存する景観は、日本の里山の原風景を今に伝えています。特に、1982年から続く環境保全型農業は、日本を代表する先進的な取り組みとして知られています。

悠久の歴史

高山村の歴史は古く、旧石器時代の遺跡から縄文時代の遺跡、そして古墳時代、奈良・平安時代、鎌倉・戦国時代へと、様々な時代の痕跡が残されています。湯倉洞穴からは1万年前の縄文時代の土器や人骨が発見されており、この地における古代人の生活が垣間見られます。村内には34ヶ所の縄文遺跡があり、古代から人が暮らしてきた歴史を物語っています。平安時代の遺跡も数多く存在し、中には古墳時代と重なるものもあります。また、奈良時代末期には皇室の馬を飼育する御牧が置かれていたと推測され、「牧」「駒場」といった地名はその名残であると考えられています。江戸時代には、幾度も領主が変わり、幕府領や様々な藩の支配下にあった歴史があります。1871年に長野県に管轄された後、1956年に高井村と山田村が合併し、現在の高山村が誕生しました。

高山村の今

現在、高山村は、農業や林業を基幹産業としつつ、観光業も盛んです。信州高山温泉郷には、山田温泉、五色温泉、七味温泉、奥山田温泉など多くの温泉があり、多くの観光客を惹きつけています。また、山田温泉スキー場や山田牧場スキー場といったウィンタースポーツ施設も人気です。

行政

村長以下、村議会、そして県議会や衆議院議員といった行政組織が村の運営に携わっています。

教育

高山村立高山小学校、高山村立高山中学校、高山村立たかやま保育園、聖徳保育園など教育施設も整っており、子どもたちの教育環境も大切にされています。

交通

村内には鉄道は通っていませんが、最寄りの長野電鉄長野線須坂駅からバスが出ています。道路は、国道292号（志賀草津道路）が一部を通過し、県道も整備されています。村内を巡回するバスも運行し、住民の生活を支えています。

文化と人々

高山村は、俳聖・小林一茶ゆかりの地としても知られています。一茶館「一茶ゆかりの里」では、一茶の門人であった久保田春耕から伝わる資料などが展示されています。また、福島正則、久保田兎園、亀原和太四郎など、多くの著名人がこの村にゆかりがあります。近年では、俳優の古川雄大さんなど、現代の著名人も輩出しています。

高山村は、豊かな自然、歴史、そして人々の温かさ、魅力あふれる村です。訪れた際には、その独特の雰囲気を肌で感じてみてください。

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