高岡高等商業学校

高岡高等商業学校の概要

高岡高等商業学校（たかおかこうとうしょうぎょうがっこう）は、1924年9月に設立された日本の旧制専門学校です。多くの場合「高岡高商」と略され、文部省直轄の第13官立高等商業学校として、官立高商の中では最後に設置されました。この学校は本科だけでなく、東亜科や臨時補修科も配置されたことが特徴です。

学校の沿革

高岡高商の設立は1924年に遡ります。この年の9月、勅令第222号によって学校が設立され、翌1925年に初の入学式を迎えました。創立当初から、3年間の修業年限の本科が設けられました。その後、1927年には校歌「黎明告ぐる鐘の音を」が制定され、1929年には研究団体「商業研究会」が結成。その成果として機関誌『研究論集』も発刊されました。

1940年には東亜科としての第2部が設けられ、満州や中国、さらにはロシアに至るまでを研究対象としました。しかし、第二次世界大戦が進行する中で、1944年に高岡経済専門学校へ改称され、さらに高岡工業専門学校へと変革されました。戦後、高岡経済専門学校が復活することはなく、その後に設立された富山大学経済学部が高岡高商の伝統を受け継いでいます。

校地の移り変わり

設立当初、高岡高商は富山県高岡市の郊外、志貴野に位置しました。この地域は後に工業専門学校として発展し、さらに富山大学の工学部に引き継がれました。経済学部は当初、高岡高商の伝承を受けた蓮町校地に設置されましたが、後に富山市の五福校地へと移転しました。この際、高岡高商が育んだ教育の精神が、富山大学においても引き継がれるかたちとなりました。

主な卒業生

高岡高商からは、多くの著名な卒業生が輩出されています。市長を務めた堀健治や、法学者の高田源清、政治学者の前野良、経済学者の篠原三代平などがそれにあたります。特に彼らは、学問を通じて社会に大きな影響を与え続けてきました。

継承される伝統

高岡高商の伝統は、富山大学経済学部にも色濃く残されています。戦後の混乱期においても復活運動が行われ、1949年には新制富山大学の設立に伴い、経済学科が置かれることで事実上の復活を遂げました。この学科は高岡高商の元教官が多く採用されており、学校の文化や教育の継承が行われています。

結論

高岡高等商業学校は、日本の教育史において重要な役割を果たしてきた存在です。設立当初から、学問や研究を通じて地域社会に貢献し、多くの優れた人材を育成してきたことが評価されています。今後も、その伝統が富山大学を通じて受け継がれ続けることでしょう。

もう一度検索