高崎安中拡幅

高崎安中拡幅（たかさきあんなかかくふく）は、群馬県高崎市から安中市に至る国道18号の改良プロジェクトです。総延長は約6.0キロメートルに及び、この事業は既存の道路を拡げるだけでなく、新たな経路（バイパス）を建設する要素を大きく含んでいます。具体的には、全体の約半分を超える3.2キロメートルがバイパスとして整備され、残りの約2.8キロメートルが現道の拡幅によって対応されています。こうした背景から、公式な事業名称は「拡幅」でありながらも、稀に「高崎安中バイパス」や、現地の標識では単に「安中バイパス」と案内されることもあります。

本事業で整備される道路は、都市部近郊の幹線道路として、設計速度時速80キロメートルの第3種第1級規格で計画されています。標準的な道路幅員は25.0メートル、完成時の車線数は4車線となる予定で（一部区間では現在暫定2車線）、一車線あたりの幅員は3.5メートルを確保しています。起点は高崎市上豊岡町の上豊岡町交差点、終点は安中市安中4丁目の城下交差点です。この道路は群馬県内の高崎市と安中市を通過します。

高崎安中拡幅の整備は、その特性から三つの区間に区分されます。起点側の上豊岡町交差点から板鼻下町交差点までの約2.2キロメートルが「東側現道拡幅部」。板鼻下町交差点から下野尻交差点までの約3.2キロメートルが、本事業の大部分を占める「バイパス新設部」。そして終点側の下野尻交差点から城下交差点までの約0.6キロメートルが「西側現道拡幅部」とされています。

この事業は、1983年度に国の事業として始まりました。翌1984年度には都市計画の決定を経て、1985年度からは道路用地の取得が進められ、1989年度に建設工事が着手されました。最初に供用が開始されたのは1995年6月22日で、東側現道拡幅部のうち起点寄り約2.0キロメートルの区間が4車線で開通しました。続いて1997年12月15日には、東側拡幅部の残る約0.2キロメートル区間も4車線化を終え、同時にバイパス新設部の全区間約3.2キロメートルが暫定的な2車線として開通しました。

1997年以降は、主にバイパス新設区間の4車線化工事が進められました。JR信越本線と交差・並行する板鼻下町交差点から安中駅手前までの約2.4キロメートル区間は、2006年6月16日と同年9月28日の二度に分けて4車線化が完了しました。その後、公共事業費の状況などにより一時的に進捗に影響が出た時期もありましたが、安中駅前を含む下野尻交差点までのバイパス部残り約0.8キロメートルも、2016年3月23日に4車線での供用が開始されました。この整備完了をもって、東側現道拡幅部およびバイパス新設部を合わせた合計約5.4キロメートルの区間が4車線で利用可能となりました。

事業の最終段階として、残る西側現道拡幅部である約0.6キロメートルの区間の整備が進められる計画です。2014年に国土交通省が示した事業評価資料では、この区間の用地取得は2018年度まで、そして道路の土工や舗装工事は2021年度までに完了する見込みであるとされていました。

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