高志の国文学館

高志の国 文学館の概要

高志の国文学館（こしのくにぶんがくかん）は、富山県富山市舟橋南町に位置する、県立の文学館です。この文学館は、2012年7月6日に開館し、松川沿いの緑豊かな環境の中で、旧富山県知事公館を活用した独自の建物を持っています。特に、この施設は研修施設やレストランが併設されているほか、隣接する展示部門が重要な役割を果たしています。

このプロジェクトは、2008年に設置された「ふるさと文学魅力推進検討委員会」に端を発し、2011年に建設工事が始まりました。使用されていなかった旧知事公館を改修し、隣接して建物を増築。増築部分のデザインには、富山県の主な産業であるアルミのパネルが使用されており、15種類の葉の模様が施され、世界に一つだけの特徴を持っています。当館の名前である「高志」は、奈良時代の北陸地方の古名に由来し、富山県の文学の起源を象徴しています。

初代の館長に予定されていた富山県出身の作家、辺見じゅんは、就任前に亡くなったため、国文学者の中西進が館長に就任。その後、2023年4月には女優の室井滋が新しい館長に任命されました。

館内では富山県出身またはゆかりのある作家や、富山県を舞台にした作品、特にこれら作者が使用した愛用品や美術品などが展示されています。開館初期には約4万点が展示され、その後2015年には約6万点、2020年には約7万3千点に拡充されています。展示室は「ふるさと文学の蔵」と名付けられた常設展示室や企画展示室を含み、さまざまな文学作品や著者の紹介がされています。

特に一番大きな展示室「ふるさと文学の蔵 1」には、長さ13.7m、高さ5mの大書架が設置されており、富山県に関連する書籍や漫画が収められています。このライブラリーコーナーでは、一部の書籍や漫画を閲覧することができます。

文学館は、建築デザインに関しても評価され、2013年には中部建築賞および富山県建築賞優秀賞を受賞し、2016年にはBCS賞も受けるなど、その品質が認められています。

また、館内のレストランは、開館当初から有名シェフの落合務がプロデュースした「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」がありましたが、彼の多忙により2018年に新しいレストラン「Brasserie et Salon de Thé Chez Yoshi」がオープンしました。

施設の詳細

構造と設備

• - 建築主: 富山県
• - 設計: シーラカンスアンドアソシエイツ（建築）、乃村工藝社（展示）
• - 施工: 日本海建興・三由建設・ミヅホ建設
• - 竣工: 2012年7月6日
• - 構造: 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造（地上2階）
• - 延床面積: 3,070m²

1階の施設

• - エントランス、受付
• - 常設展示室（ふるさと文学の蔵）、企画展示室
• - 親子スペース
• - ライブラリーコーナー
• - 研修室 3室
• - ミュージアムショップ
• - レストラン「Brasserie et Salon de Thé Chez Yoshi」
• - 庭園「万葉の庭」

2階の施設

• - 研修室 2室
• - 和室 1室

開館情報

• - 休館日: 火曜日（祝日は開館し、翌日が休館）、年末年始（12月29日 - 1月3日）
• - 開館時間: 9:30 - 18:00

アクセス

富山地方鉄道富山軌道線の県庁前停留所から徒歩5分の位置にあり、地域コミュニティバスも利用可能です。

高志の国文学館は、地域の文学文化を支える重要な施設であり、多様な展示プログラムを通じて訪問者に深い知識を提供しています。

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