高木三郎

高木三郎は、1841年（天保12年）に庄内藩士の黒川友文の長男として生まれました。後に高木家の養子となり、名を三郎と改めます。1859年、江戸幕府の軍艦操練所に入学し、1867年には勝小鹿の同行者として、富田鐵之助とともにアメリカへ留学しました。

留学中、高木は富田と共にニュージャージー州ニューブランズウィックに滞在しました。明治政府が留学生を活用する方針を打ち出すと、1871年8月頃に高木は駐米日本公使館の「一時雇」として会計事務を担当します。当初、大蔵省は高木と富田の帰国後の採用を検討していましたが、最終的に外務省が1872年3月24日付で高木を正式採用し、駐米公使館の「外務省9等出仕」に任命しました。1873年3月には、公使の森有礼の帰国に伴い、高木は「臨時代理」（5月より「事務代理」）に任命され、公使の職務を代行します。後任の矢野次郎が7月に着任すると、公使の「事務代理」を譲りますが、森が担当していた日米郵便交換条約交渉は引き続き担当し、条約締結と批准書交換を実現しました。

しかし、矢野との関係が円滑でなかったため、高木は公使館からの異動を希望し、1873年12月にサンフランシスコ副領事に任じられました。1874年6月には、7年ぶりに休暇で帰国し、10月には「結婚契約書」を作成して結婚しました。

1880年、高木は外務省を辞職し、横浜同伸会社の取締役となります。同社は生糸輸出を事業としており、高木は死去するまで製品の品質向上や取引先の拡大に尽力しました。その生涯は、外交官としての国際的な活躍と、実業家としての手腕を示すものでした。

高木三郎は、激動の時代を生きた人物であり、その多岐にわたる活躍は、現代においても学ぶべき点が多くあります。彼の功績は、日本の近代化に大きく貢献したといえるでしょう。

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