高木善之

高木善之の活動と理念

高木善之（たかぎ よしゆき、1947年生まれ）は、日本の環境保護活動家で、特定非営利活動法人ネットワーク『地球村』の代表を務めています。また、著作家としても著名であり、幅広いテーマについての講演やワークショップを行っていることでも知られています。大阪府堺市西区出身の彼は、大阪大学基礎工学部物性物理学コースを卒業した後、松下電器（現パナソニック）に28年間勤務し、在職中にはフロンガス全廃をはじめとする環境政策に貢献しました。

事故と臨死体験

彼の人生には転機がありました。1981年にオートバイの事故で重傷を負い、そこで臨死体験をし、彼はその経験がその後の活動の大きな原動力となったと語っています。事故後、彼は1991年に「ネットワーク『地球村』」を設立し、次第に環境や生き方に関する提言活動を広げました。1992年のリオ地球サミットにも参加し、そこからつながる国際的な活動にも積極的に関わりました。

非対立の理念

高木の理念は「非対立」というもので、抗議や要求をせず、戦闘的な主張を避けることで、問題を知らせることと解決方法を提言することに努めています。彼は、環境調和社会を実現するためには「グリーンコンシューマー」を増やすことが不可欠だと考えており、それが持続可能な社会に向かう第一歩だと主張しています。また、国連に対しても疑問を抱き、平和を実現するために独自の「地球市民国連」を作るべきだと提唱しています。

環境に対する見解

高木は、生物の脳の重さが増えることと絶滅の関係を考察し、人類も絶滅の危機にあると警鐘を鳴らしています。彼は政治、経済、資本主義、エゴイズムが現在の社会を象徴し、それらが崩壊する運命にあると考えています。彼は、これらの問題を解決するために必要なのは意識の転換であり、「虹の天使」と呼ばれる人々を育成するため、地球村塾を設立しました。

読者へのメッセージ

「虹の天使」はアメリカ先住民族ホピ族に伝わる概念で、世界の終わりが近づいたときに現れる人々を指します。彼らは他者の命令なく自発的に平和のために行動する存在です。高木は、この考えに基づき自分たちの使命を感じ、まずは関心を持つ人々が動き始める必要があると語っています。また、船井幸雄との出会いを通じて、彼の1日1食の実践が持つ意味や、彼の行動力に触発されたと語りました。

著書

彼の著作には、「地球村」に関するものから個人の生き方についてのものまで多岐にわたり、その多くは彼の理念と実践を具現化したものです。代表的な著作には、共著の『「地球村」に生きる!―美しい地球を子どもたちへ』や、『地球大予測―選択可能な未来』などがあります。これらの著作を通じて、彼は持続可能な未来についてのメッセージを発信しており、特に環境問題への関心を広めることに努めています。

高木善之は、自己の体験や考えを通じて、持続可能な社会の実現に貢献し続けています。彼の活動は多くの人々に影響を与えており、これからの環境問題へのアプローチについて考える上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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