高木喬

高木喬：野球と建築の二つの舞台で活躍した人生

高木喬氏（1940年6月17日生まれ、2012年11月25日没）は、華麗な野球人生と成功した建築家としてのキャリアを併せ持つ、稀有な人物でした。大阪府堺市出身の高木氏は、三国丘高校から法政大学に進学。在学中は東京六大学野球リーグでその才能を遺憾なく発揮し、チームの3度のリーグ優勝に大きく貢献しました。特に1960年と1962年には大学選手権でも優勝を経験しており、その実力は既に大学時代から際立っていたと言えます。

大学時代には、1年下の山崎武昭氏、龍隆行氏らとともに、1962年の第1回日米大学選手権にも出場。ミシガン大学と対戦するなど、国際舞台での経験も積んでいます。同年秋季リーグではベストナイン（一塁手）にも選出され、将来を嘱望された逸材でした。大学同期には、後にプロ野球選手として活躍する堀内嗣郎氏がいました。

1963年、高木氏は近鉄バファローズに入団。恵まれた体格を持ちながらも、長打力よりも確実性を重視した打撃が持ち味でした。入団1年目はウエスタンリーグで首位打者を獲得し、その実力を証明しました。1965年には、土井正博氏らとともにクリーンアップを担い、打率.304（リーグ3位）という好成績を残し、ベストナイン（一塁手）を受賞。さらに同年のオールスターゲームにもファン投票で選出され、第1戦では宮田征典氏から本塁打を放つなど、スター選手としての地位を確立しました。1967年も打率.291（リーグ5位）と高い打率を記録し、チームの中心選手として活躍を続けました。

しかし、1968年、近鉄は三原脩監督の就任に伴いチームの大幅な刷新が行われ、高木氏は菊川昭二郎氏とともに、清俊彦氏、トニー・ロイ氏との2対2トレードで西鉄ライオンズに移籍することになります。西鉄では1969年、1970年は広野功氏と一塁手のポジションを競い合う形となりましたが、その後は再びレギュラーに定着。1973年に現役を引退するまで、西鉄（太平洋クラブライオンズに球団名変更）でプレーを続けました。

引退後は、新たなキャリアをスタートさせます。大阪工業大学に入学し、一級建築士の資格を取得。その後、建築設計事務所を開設し、建築家として第二の人生を歩みました。建築家としての活動も成功をおさめ、多くの実績を残したと言われています。しかし、2012年11月25日、永眠されました。

高木喬氏は、プロ野球選手として確実な打撃と堅実な守備でチームに貢献し、数々のタイトルを獲得しました。そして、引退後も建築家として成功を収め、野球と建築、二つの異なる分野で輝かしい実績を残した人物として、長く記憶されることでしょう。 その人生は、努力と挑戦の物語として、後世に語り継がれるにふさわしいものです。

主な記録・表彰

ベストナイン：1回（1965年 一塁手）
オールスターゲーム出場：2回（1965年、1967年）
1000試合出場：1972年9月2日（史上162人目）
近鉄バファローズ在籍時の背番号：5
* 西鉄ライオンズ在籍時の背番号：5

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