高木盛久

高木盛久

高木盛久（たかぎ もりひさ、1918年10月25日 - 2000年8月12日）は、日本のメディア界に大きな足跡を残した人物です。元陸軍少尉という経歴を持ちながら、ジャーナリズムの世界からテレビ業界へ転身し、日本テレビ放送網（日本テレビ）の最高顧問を務めました。彼の人生は、激動の時代を背景に、多様な才能と情熱をもって道を切り開いた軌跡と言えるでしょう。

生い立ちと学歴

高木盛久は、1918年に兵庫県神戸市で生まれました。旧制第三高等学校を経て、神戸商業大学（現在の神戸大学）を1942年に卒業。戦時下という時代背景もあり、卒業後は軍の道へ進み、陸軍少尉として従軍しました。

ジャーナリストからテレビ界へ

終戦後、高木はジャーナリズムの世界へ足を踏み入れます。1946年4月1日に大阪新聞に入社し、社会部長を歴任するなど、新聞記者としてのキャリアを積みました。そして1953年4月1日、高木は日本テレビへ移籍。この転身が、彼のその後の人生を大きく変えることになります。

日本テレビでの活躍

日本テレビに入社後、高木は着実にキャリアを重ねていきました。1968年4月1日に常務取締役、1971年4月1日に専務取締役営業ネットワーク本部長に就任。その後も、1981年4月1日に代表取締役副社長、1982年4月1日に代表取締役社長、1989年6月1日に代表取締役副社長、1992年6月1日に代表取締役副会長と、要職を歴任しました。1995年4月1日には日本テレビ最高顧問に就任し、アール・エフ・ラジオ日本の常勤監査役も務めました。

高木は、日本テレビの発展に大きく貢献しました。特に、社長時代には、番組の質の向上や経営の安定化に尽力し、日本テレビを日本の主要なテレビ局としての地位を確立しました。

映画製作への貢献

高木は、映画製作にも関わりました。特に、スタジオジブリ作品との関わりは深く、『魔女の宅急便』（1989年）、『おもひでぽろぽろ』（1991年）、『紅の豚』（1992年）など、数々の名作の製作を支援しました。また、人気アニメシリーズ『それいけ! アンパンマン』の劇場版にも携わるなど、幅広いジャンルの映画製作に貢献しました。

受賞と晩年

長年の功績が認められ、1996年には勲二等旭日重光章を受章しました。これは、国家または公共に対して功労のあった者に授与される勲章であり、高木の社会への貢献の大きさを物語っています。

2000年8月12日、高木盛久は肺がんによる呼吸不全のため、81歳で逝去しました。彼の死は、メディア界にとって大きな損失であり、多くの人々がその功績を偲びました。

人柄と趣味

高木は、その温厚な人柄で多くの人に慕われました。趣味はゴルフと読書であり、多忙な日々の中でも、これらの趣味を通じてリフレッシュしていたようです。

高木盛久の生涯は、激動の時代を生き抜き、ジャーナリズムとテレビ業界の発展に貢献した、情熱と才能にあふれたものでした。彼の残した功績は、これからも長く語り継がれることでしょう。

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