高木美果

高木美果（たかぎ みか）は、1977年10月8日生まれの韓国出身の女優です。本名のチェ・ウンシル名義で活動していた時期もあります。主に劇団四季に所属し、ミュージカルを中心にその才能を発揮しました。

彼女は韓国の大学で声楽を専攻しました。卒業後、韓国内で様々なオーディションを受け、いくつかの作品に出演する機会を得ましたが、新人であったため、主にアンサンブルとしての配役が中心でした。当時の韓国のミュージカル業界は、宝塚歌劇団のようなスター制度が一般的であり、どれほど努力しても無名の俳優が良い役を得るのが難しいという現実に直面していました。

そのような状況の中、高木美果は劇団四季の存在を知ります。劇団四季では、作品ごとに役ごとのオーディションが実施され、たとえ経験の浅い俳優や若手であっても、主役級の役に挑戦できる平等な機会が与えられていることを知り、強く惹かれました。そして、劇団創立50周年を迎える2003年に来日し、劇団四季の記念オーディションに見事合格しました。

劇団四季での初舞台は、『ジーザス・クライスト＝スーパースター』のアンサンブルとしてでした。その後、2004年には『オペラ座の怪人』にアンサンブルとして出演します。この時、作品のヒロインであるクリスティーヌ・ダーエ役に強い憧れを抱き、出演後も劇場から稽古場まで1時間かけて戻り、深夜に及ぶレッスンを重ねたといいます。その並々ならぬ努力が実を結び、翌2005年には念願のクリスティーヌ・ダーエ役に抜擢され、大きな注目を集めました。

クリスティーヌ役を演じるまで、彼女は『ジーザス・クライスト＝スーパースター』のマグダラのマリア役や、『ウェストサイド物語』のマリア役など、どこか影や深みのある人物を演じることが多い傾向にありました。しかし、2011年9月には『美女と野獣』の主人公であるベル役でデビューし、従来のイメージにとらわれない新たな一面を見せ、活躍の幅を広げました。特に、『ウェストサイド物語』の福岡公演においては、マリア役として全公演に出演し、観客に深い感動を与えました。

主な出演作品

『オペラ座の怪人』（クリスティーヌ・ダーエ、アンサンブル）
『ジーザス・クライスト＝スーパースター』（アンサンブル、マグダラのマリア）
『ウェストサイド物語』（マリア）
『エビータ』（ミストレス）
* 『美女と野獣』（ベル）

高木美果は、韓国での経験から得た強い意志と、劇団四季で培った確かな実力をもって、数々の困難な役を演じ切り、観客を魅了したミュージカル女優として知られています。

もう一度検索