高木貴行

高木 貴行（たかぎ たかゆき）は、1978年4月10日生まれの日本の政治家であり、かつてはプロサッカー選手としても活躍しました。現在は岐阜県多治見市の市長（1期）を務めています。

多治見市出身の高木氏は、地元の市之倉小学校、南山中学校を卒業後、1995年にイギリスへ留学。翌年帰国し、1998年に南山高等学校を卒業しました。その後、国士舘大学体育学部体育学科で学び、2002年3月に卒業。同年4月には野村證券に入社し、社会人としての第一歩を踏み出しました。

2005年にはプロサッカーの世界へ転じ、FC岐阜に入団。選手として活動する傍ら、フットサルパークの経営にも携わるなど、スポーツビジネスの分野でも手腕を発揮しました。

サッカー選手引退後、政治の世界へと転身。2007年の岐阜県議会議員選挙に多治見市選挙区から無所属で立候補し、初当選を果たしました。以後、連続して当選を重ね、2019年には4期目の当選を果たすなど、長きにわたり県政に貢献。県議会では民主系の会派「県民クラブ」に所属し、活動しました。

政治家としての活動の中で、2021年には次期衆院選を巡る動きにも関与しました。立憲民主党県連が候補者擁立を担当することになっていた岐阜5区において、当時24歳だった多治見市出身の今井瑠々氏を紹介。これは、高木氏と今井氏の父親が旧知の仲であったことから実現したものです。今井氏は枝野幸男党代表と共に会見を行い、衆院選への出馬を表明。同年10月の衆院選では、高木氏は今井氏に対し、演説方法の指導や応援演説での熱心な支援を行うなど、そのために尽力しました。結果として、今井氏は対立候補である古屋圭司氏に約1万4千票差まで迫る善戦を見せました。

そして、2023年、高木氏は多治見市長選挙への立候補を決意します。これは、現職の古川雅典市長が5選不出馬を表明した後のことでした。市長選には当初、自民党県議の山本勝敏氏や市議の吉田企貴氏も立候補の意向を示していましたが、吉田氏は後に立候補を取りやめ、高木氏の支援に回ることを表明。また、古川市長の後援会は、高木氏を市長選における古川市政の後継者として紹介し、支援体制を構築しました。一方で、前述の今井瑠々氏は、衆院選で戦った古屋圭司氏の支援を受け、自民党の支援を得て県議選に出馬することを表明。立憲民主党に離党届を提出し、自民党の会合にも出席しました。

市長選挙と同日に行われた岐阜県議会議員選挙多治見市選挙区では、高木氏と連携した判治康信氏が1位で当選。今井氏は無所属ながら自民党の支援を受けて2位で当選し、自民党新人は次点で落選しました。この県議選の結果は、市長選にも影響を与えると見られており、特に今井氏は高い知名度と注目度を活かし、市長候補の山本氏と連携して選挙運動を展開しました。

市長選挙期間中には、様々な出来事が発生しました。約2万5千枚にも及ぶ、対立候補である山本氏への誹謗中傷を含むビラが、高木氏陣営の元秘書によって新聞折込として配布されました。この件は刑事告訴に発展しましたが、最終的には不起訴となりました。また、選挙期間中の4月22日には、高木氏が演説中に男に襲撃され、首を絞められて押し倒されるという事件も発生。男は公職選挙法違反の現行犯で逮捕されました。

こうした激しい選挙戦を経て、2023年4月23日の投開票では、投票締め切り直後に主要メディアが高木氏の当選確実を報じました。当日有権者数89,225人に対し、最終投票率は57.81%でした。

元プロアスリートという異色の経歴を持つ高木貴行氏は、岐阜県議会議員を4期務めた経験を活かし、多治見市政のかじ取りを担っています。市民の生活に寄り添い、多治見の発展を目指す活動が注目されています。

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