高木遊

髙木 遊

髙木 遊（たかぎ ゆう）は、1994年に京都市で生を受けた日本のキュレーターです。

経歴と活動

京都大学を卒業後、現代アートにおける専門知識を深めるため、東京芸術大学大学院の国際芸術創造研究科へ進学しました。同大学院を2020年に修了しており、在学中に東京芸術大学よりラリュス賞を授与されたことが記録されています。学術的な背景と実践的な探求を組み合わせながら、キュレーターとしてのキャリアを築き始めました。

大学院修了後は、アートスペースであるThe 5th Floorにてキュレーターとして活動しました。その後、金沢21世紀美術館においてアシスタント・キュレーターを務め、大規模な美術館での企画・運営に関与しています。これらの経験を通じて、多様な規模や性質を持つ展覧会の企画・実施能力を高めています。

その活動はアート業界の内外から高い関心を集めており、2022年には経済誌『フォーブズジャパン』が選出する「30アンダー30（世界を変える30歳未満の30人）」の一人として取り上げられました。これは、キュレーターとしての実績や将来性が高く評価されたことを示すものです。

主な企画展

髙木 遊は、特定の作家の個展からテーマ性を持ったグループ展まで、様々な形式の展覧会を企画しています。以下にその一部を挙げます。

「立石幹人 It is That it is」 （2017年、京都）：京都での企画。特定の作家に焦点を当てた初期の展覧会です。
「生きられた庭 / Le Jardin Convivial」 （2019年、京都）：石毛健太、髙橋 銑、多田恋一朗、立石従寛、野村 仁、牧山雄平、山本修路といった複数の作家が参加したグループ展。庭という概念を通して「生きられた」空間や共生について考察する企画となりました。
「髙橋銑 二羽のウサギ」 （2020年、東京）：再び作家、髙橋銑を取り上げ、東京で発表した個展企画です。
「四肢の向かう先 | Standing Ovation」 （2022年、熱海）：ATAMI ART GRANT 2021の一環としてホテルニューアカオで開催された展覧会。太田光海、渡邊慎二郎、小松千倫、多田恋一朗、中村壮志、松田将英、保良雄らが参加し、ユニークな会場で身体やその表現にまつわるテーマを探求しました。
* 「コレクション展2： 電気-音」 （2024年、金沢）：金沢21世紀美術館での企画。美術館のコレクションを中心に、ジョン・ケージ、ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー、毛利悠子、カールステン・ニコライ、塩見允枝子、エリアス・シメ、田中敦子、小松千倫、涌井智仁など、音や電気を扱った国内外の多様な作家の作品を紹介する展覧会です。

これらの企画を通じて、現代社会における様々なテーマや表現手法を探求し、作家と観客をつなぐ役割を果たしています。

著作活動

展覧会企画と並行して、著作活動にも関わっています。長谷川祐子が編著を務めた書籍『新しいエコロジーとアート』（以文社、2022年刊）では、分担執筆者の一人として「第7章　庭のエコロジーとキュレーション」を担当しました。キュレーションの実践を理論的に考察する視点も持っています。

若手キュレーターとして国内外から注目される髙木 遊は、その多角的な活動を通じて、現代アートシーンにおいて存在感を高めています。今後のさらなる活躍が期待されています。

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