高木養根

高木 養根について

高木養根（たかぎやすもと、1912年7月7日 - 1999年1月9日）は、日本航空の初代社長として多くの実績を残した日本の実業家です。彼は広島県福山市に生まれ、岐阜県高山市で育ちました。高木は学問に熱心であり、後に数々の政治的かつ社会的な運動にも関わることとなります。

来歴

高木は府立四中、一高を卒業した後、1933年に京都帝国大学文学部に入学しました。彼は同年に起こった滝川事件に反対し、大学自治を守るための運動に積極的に参加しました。しかし、その活動が治安維持法違反に問われ、彼は大学を2ヵ月後に中退せざるを得なくなりました。中退後、高木は1年間の拘束生活を過ごし、1935年に東京帝国大学法学部へ再入学しました。

1940年、高木は大学を卒業し、大日本航空に入社しましたが、第二次世界大戦の影響で会社は解散しました。1951年には再び航空業界に戻り、設立された日本航空に参加しました。彼は営業部次長、香港支店長、総務部長といった重要なポジションを歴任し、1961年には取締役に就任、その後、常務、専務を経て1981年に日航生え抜きとして初の社長に就任しました。

高木の社長在任中には、日本航空350便墜落事故（1982年2月9日）や、日本航空123便墜落事故（1985年8月12日）といった重大な航空事故が続きました。これらの事故は航空業界に多大な影響を与え、高木自身はその責任を問われることになりました。1985年には社長を退任し、彼が推進した航空業界の再生には多くの困難が伴いました。

退任後、高木は亡くなった乗客の遺族に対する慰問活動を続け、毎年群馬県上野村の御巣鷹の尾根への慰問登山を行いました。この行動は彼の人間性を物語るものであり、事故の影響で何を失ったのかを深く理解していたことを示しています。

彼は小説「沈まぬ太陽」のキャラクター堂本信介のモデルとも言われており、作中の人物とは異なる独自の人生を歩んでいました。また、彼の家族には生命倫理学者の高木美也子が義理の娘として名を連ねています。

高木養根のLegacy

高木は、航空業界の新しい地平を切り開く一方で、事故による痛みや喪失を背負ったリーダーでもありました。彼の人生とキャリアは、日本航空という企業の歴史に深く刻まれており、航空業界における安全性向上の重要性について示唆を与えるものでもあります。彼の業績は未だに多くの人々に記憶され続けています。

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