高松琴平電気鉄道860形電車

高松琴平電気鉄道860形・890形電車について

高松琴平電気鉄道の860形および890形電車は、かつて高松琴平電気鉄道に存在した通勤型の電車です。これらの車両は1983年に制御客車として改造されたもので、元々は西武鉄道に所属していました。車両たちは山形交通を経由して琴電に導入された歴史があります。

860形の概要

860形は、もともとは780形として1941年に梅鉢鉄工所で製造されました。車体は17m級の半鋼製で、窓の配置は「関東形」として知られるスタイルで、「C3/C2-d1D4D4D1d」と表現されます。この車両は、西武鉄道の初代モハ200形205および204から改造されたものであり、1948年の改番を経て、さらに1954年に係るモハ221形に分類されました。

1952年には片運転台化が行われ、224は1958年に電装を解除され、クハ1221形1224へと変わりました。また、この車両は側面窓が一段上昇式から、後に二段上昇式に改造された記録も残っています。その後、1959年には225が山形交通に譲渡され、モハ111として三山線で運用されることとなりました。

1983年、1013形の導入により志度線・長尾線に転属され、その際に軸重の関係で電装を解除し、860形860・870へと改造されました。運転台は主に高松築港・志度側に連結されていましたが、後に長尾側の運転台からは運転機器が撤去されました。1998年に600形が導入された際、860形は廃車されました。

890形の概要

890形は740形に由来し、1928年に川崎造船所で製造されました。この車両は、全鋼製の17m級で、深い屋根が特徴的ないわゆる「川造タイプ」と呼ばれるものです。窓の配置はC3'-1D6D6D1で、同じく2段上昇式です。

890形も、西武鉄道初代のモハ550形555から派生したもので、経歴の中でモハ101形106、さらにはモハ151形156といった改称を受けました。1966年、山形交通に譲渡された後、高畠線で利用されることになり、譲渡時には車体更新が行われました。

890形も、1983年に高松琴平電気鉄道に転属され、780形と同様に電装解除され890形890となりました。その後、さらなる車体更新が施され、1994年以降は志度線で主に3000形335とともに運用されましたが、こちらも1998年に600形の導入により廃車されました。

まとめ

高松琴平電気鉄道860形および890形は、もともと西武鉄道からの譲渡を経て、それぞれの歴史や運用形態を持ちながら琴電で活躍しました。両車両ともに、それぞれ特有の改造や更新を受けて多様な変遷を経ており、今となっては鉄道ファンにとっても興味深い存在と言えます。これらの車両の歴史を知ることは、地域鉄道の発展を振り返るひとつの手段となることでしょう。

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