高林清高

高林 清高

生涯

高林 清高（たかばやし きよたか）氏は、1928年7月10日に長野県下諏訪町で生まれ、没年は不詳の日本の元スピードスケート選手です。競技者として世界の舞台で活躍した後、コーチ、そして実業家としても手腕を発揮するなど、その生涯は多岐にわたる活動に彩られていました。

競技者としての足跡

明治大学に在学中だった高林氏は、1952年にノルウェーで開催されたオスロ冬季オリンピックに日本代表として出場しました。この大会で、氏はスピードスケート男子500メートルのレースに出場し、見事6位入賞という素晴らしい成績を収めました。これは、1936年のガルミッシュ・パルテンキルヘンオリンピックで石原省三氏が同種目で4位に入賞して以来、日本人としては16年ぶりとなる冬季オリンピックでの入賞であり、当時の日本のスピードスケート界にとって大きな意義を持つものでした。オスロ大会では、他に1500メートルにも出場し、34位の成績を残しています。

続く4年後の1956年、イタリアのコルティナダンペッツォで開催された冬季オリンピックにも連続で出場を果たしました。この大会でも500メートルに出場しましたが、記録は30位にとどまり、前回の入賞には届きませんでした。

競技引退後の活動

現役選手としてのキャリアを終えた後も、高林氏はスケート界との関わりを持ち続けました。1964年にオーストリアで開催されたインスブルック冬季オリンピックでは、日本スケートチームのコーチを務め、後進の指導にあたりました。

同時に、氏は実業家としての道も歩み始めます。1953年には増沢工業に入社し、社会人としての第一歩を踏み出しました。その後、1956年には高林スケート工業の専務に就任し、スケート関連事業の経営に深く関わるようになります。さらに1960年には、自らの手で明治精機製作所を創業し、その代表者として経営の陣頭指揮を執るなど、実業界でも成功を収めました。

また、氏は長年にわたり、日本のスケート競技の振興と発展にも多大な貢献をしました。日本スケート連盟の理事として、全国的なスケート活動の組織運営に関わる傍ら、地元である長野県スケート連盟では専門委員長、そして副会長といった要職を歴任しました。特にスケートが盛んな長野県において、競技の普及や選手の育成に尽力した功績は大きいと言えます。

これらの長年にわたるスポーツ界への貢献が認められ、高林氏は1983年に長野県スポーツ振興功績者表彰において「勲功章」を受章しました。これは、氏が選手、コーチ、そして運営者として、多方面から長野県、ひいては日本のスポーツ振興に果たした役割が高く評価された証です。

高林清高氏の生涯は、オリンピックでの輝かしい入賞から始まり、コーチとしての指導、実業家としての成功、そしてスケート連盟の要職における貢献と、まさに日本のスピードスケート史における重要な一ページを担った人物と言えるでしょう。その多角的な活動は、多くの人々に影響を与え、特に地元長野県のスポーツ界に確かな足跡を残しました。

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