高柳真三

高柳真三は、1902年（明治35年）に石川県で生まれ、1990年（平成2年）に没した日本の法制史学者です。東京帝国大学法学部を卒業後、東北帝国大学（現在の東北大学）で教鞭を執り、法学部長も務めました。1966年に東北大学を定年退官し、名誉教授の称号を授与されました。その後、盛岡短期大学学長や東北学院大学教授を歴任し、教育にも尽力しました。

高柳真三の研究は、日本の法制史、特に明治初期の家族制度改革や江戸時代の刑法に焦点を当てたものが多く、その研究成果は多くの著書や論文として発表されました。

主な著書としては、

『明治初年に於ける家族制度改革の一研究 妾の廃止』(1941年)
『徳川時代刑法の概観』(1942年)
『日本法制史』全2巻（1949-65年）
『明治前期家族法の新装』(1987年)
『江戸時代の罪と刑罰抄説』(1988年)

などがあります。これらの著作は、日本の法制史研究において重要な文献として、現在でも広く参照されています。

また、共同研究にも積極的に参加し、『御触書集成』など、法制史研究に不可欠な資料の編纂にも貢献しました。さらに、『法学概論』などの法学の入門書も執筆し、幅広い読者層に法学の知識を広めました。

高柳真三は、1976年に日本学士院会員に選出されるなど、その学術的業績は高く評価されています。没後には、『高柳真三遺文集』が編纂され、その業績を偲ぶことができます。

高柳真三の研究は、単に過去の法制度を解明するだけでなく、現代の法制度や社会構造を理解するための重要な視点を提供しています。彼の研究は、法制史研究の基礎を築いただけでなく、現代社会における法と社会のあり方を考える上でも貴重な示唆を与えています。その功績は、日本の法制史研究において、長く記憶されるべきものです。

参考文献
日本人名大辞典
* 『高柳真三教授著作目録』東北大学記念資料室、1966年。NAID 120005744424。

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