高桑城

高桑城の歴史と現状

高桑城（たかくわじょう）は、岐阜県岐阜市柳津町高桑に位置していた日本の城で、鎌倉時代から戦国時代にかけて高桑氏が治めていました。城の築城時期については諸説ありますが、特に承久の乱（1221年）に高桑氏が朝廷側の武将として活躍していた記録が残っています。このことから、高桑城は1190年代以前に築かれたと考えられています。

城は土塁で構築されており、周囲の面積は約400メートル、つまりおよそ8アールほどでした。この高桑城は、高桑氏が代々城主を務めており、その主な役割は土岐氏の支城としての機能でした。承久の乱では、朝廷に仕える東方軍の大将軍として土岐氏と共に幕府軍に立ち向かいました。しかし、乱の後は高桑氏は土岐氏に仕官することになり、高桑城は土岐氏にとって非常に重要な拠点となりました。

明応3年（1494年）には、土岐氏の相続問題が発生し、それに伴って起こった船田の乱の結果、高桑城は落城することになりますが、後に再建されることとなります。大永7年（1527年）には、斎藤道三に内通していた留守居の武山氏によって城は再度占領され、高桑氏は土岐氏第15代当主である土岐頼純と共に一乗谷朝倉氏の館に逃亡しました。高桑城は1190年から1527年までおおよそ337年間、高桑氏の城として存在していました。

その後、享禄3年（1530年）には道三が土岐氏を追放し、美濃国の支配を完成させ、高桑城は正式に武山氏の居城となります。しかし、この状況も長くは続かず、永禄10年（1567年）には織田信長の命を受けた織田信忠が攻め込み、高桑城は再び落城し、最終的には廃城となってしまいました。

現在の状況

現在、高桑城の跡地は周囲の風景においてひっそりと残っており、近くを流れる境川の河川敷には土塁の一部が見られます。また、城の石材の一部は、元々高桑氏の菩提寺であった高桑山慈恩寺の観音堂に使用されているという歴史的なことが分かっています。

このように、高桑城は日本の歴史の中で重要な役割を果たした拠点であり、その遺構は今なお地域の歴史を感じさせる存在として残っています。訪れることで、日本の中世の歴史を体感し、その足跡を辿ることができます。

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