高橋宏

高橋 宏（たかはし ひろし）

高橋宏は1933年12月21日に新潟県新発田市で生まれ、2021年6月25日に87歳で亡くなった日本の実業家です。彼は日本郵船の副社長や郵船航空サービスの社長などを歴任し、特に教育分野でも影響力を持った人物です。

学歴と早年期

高橋は新潟県立新発田高等学校を1952年に卒業後、1956年に一橋大学商学部を卒業しました。大学時代には太田可夫ゼミや山城章ゼミに参加し、哲学と経営学を学びました。体育会柔道部や禅サークル「如意団」にも所属し、豪快な性格から日本郵船では「暴れん坊」として知られ、あだ名の「ダーティハリー」が与えられるほどでした。また、大学の同期である石原慎太郎や高原須美子らと親しくなり、家族ぐるみでの旅行を重ねるなど、友人関係を大切にしました。

事業キャリア

高橋は1963年に日本郵船のニューヨーク支店に勤務し、その後ロッテルダム、デュッセルドルフと海外での駐在を経ました。1975年には北米課長を務め、以降1983年には営業第一部長に昇進し、1985年からは取締役として経営に参加しました。88年に常務取締役、90年に専務、93年には副社長に昇格し、1995年から郵船航空サービスの副社長に就任。その後、同社の社長を務めるなど、多くの重要な役職を歴任し、彼の経営手腕が日本郵船の発展に寄与しました。

教育と社会貢献

高橋は2004年から公立大学法人首都大学東京の経営準備室長として大学設立に携わり、2005年には初代理事長に就任しました。在任中は、任期制と年俸制を導入し、図書館の一般開放範囲を拡大しました。また、東京都港湾審議会の会長も務め、地域社会への貢献に努めました。2013年に理事長を退任した後も、石原知事からの要請で東京港埠頭の代表取締役社長に就くことを打診されましたが、年齢を理由に辞退しました。最終的には内定を得るも辞退に至りました。

受賞歴と著作

高橋はその業績から1996年に藍綬褒章を受章し、教育や社会的な貢献においても高く評価されました。また、彼は数冊の著書を持ち、特に『喧嘩の作法― アメリカが怖れた男の交渉術』は交渉術に関する彼の見解を示す重要な作品です。さらに、プロジェクトに関する書籍にも名を連ねており、実業界の視点からの貴重な情報が詰まっています。

最晩年と死去

高橋は2019年に旭日中綬章を受章した後、2021年に逝去しました。彼は一男一女の父でもあり、ビジネスのみならず家族との関係も大切にしていた人物でした。彼の業績と影響は今も多くの人々に引き継がれています。

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