高橋敏郎

高橋 敏郎

高橋 敏郎（たかはし としろう、1980年7月19日 - ）は、日本の実業家であり、かつてプロ野球選手（捕手）として東京ヤクルトスワローズに所属していました。右投げ右打ち。
山形県新庄市の出身です。

経歴

アマチュア時代

地元の山形県で野球を始め、高校時代にはチームの中心選手として活躍。2年生と3年生の夏には、いずれも県大会でベスト4に進出する成績を残しました。

大学に進学すると、南東北大学野球リーグでその才能を一層開花させます。特に4年春のシーズンでは、打撃部門で三冠王を獲得する快挙を達成。さらに、リーグの最優秀選手にも選ばれ、ベストナインにも3度輝くなど、大学球界を代表する捕手へと成長しました。
当時、全国的にはまだ無名の存在でしたが、チームが初めて出場した大学選手権では、盗塁阻止のためのセカンド送球が1.7秒台という驚異的なタイムを記録するなど、その強肩は多くのプロ野球スカウトの注目を集めました。また、パンチ力のある打撃も高く評価されていました。

プロ野球選手時代

大学での活躍を受け、プロ野球の世界への扉が開かれます。多くの球団が関心を示す中、特に読売ジャイアンツはいち早く高橋氏に注目し、リーグ戦などにも足繁く通っていたとされています。しかし、最終的には2002年のNPBドラフト会議において、ヤクルトスワローズから7巡目で指名を受け、プロ入りを果たしました。

プロという新たな環境への適応には時間を要しましたが、徐々にその実力を発揮するようになります。2005年には二軍（イースタン・リーグ）でレギュラークラスの活躍を見せ、持ち前の強肩は健在で、遠投120メートルを記録。打撃面でもパンチ力を証明し、当時楽天イーグルスのエースであった岩隈久志投手（後にMLBでも活躍）から本塁打を放つなど、ポテンシャルの高さを示しました。

背番号は入団から退団まで一貫して48を着用しました。

しかし、当時のヤクルトスワローズには、球界を代表する名捕手であり選手兼任監督でもあった古田敦也氏が絶対的な正捕手として君臨しており、さらに自身も度重なる怪我に見舞われたことなどが重なり、残念ながらプロとしての一軍公式戦への出場機会を得ることはできませんでした。

ユニフォーム姿を見る機会は少なかったものの、その端正な顔立ちと明るく親しみやすい人柄から、特に女性や子供たちを中心に多くのファンから愛されていました。

2006年10月2日、球団から戦力外通告を受けます。現役続行を目指して、トライアウトへの参加やアメリカの独立リーグへの加入なども模索しましたが、実現には至らず、プロ野球選手としてのキャリアに終止符を打つことを決断しました。

引退後のキャリア

プロ野球選手を引退した高橋氏は、全く異なる分野である不動産業界へのキャリアチェンジを決断します。そこで持ち前の誠実さと行動力を発揮し、めざましい活躍を見せるようになります。その成功ぶりは、日本経済新聞をはじめとする数多くのメディアでも取り上げられ、大きな注目を集めました。

引退から約13年間で、個人のための住宅の売買・賃貸仲介から、専門的な知識を要する収益不動産の売買まで、不動産取引の幅広い分野で豊富な経験と実績を積み重ねました。特に2018年には、関わった不動産取引の総額が年間100億円を超えるという驚異的な成果を記録するなど、その手腕は業界内で高く評価されました。

2019年には、世界的に事業を展開する大手外資系不動産コンサルティング会社であるコリアーズ・インターナショナル・ジャパン（カナダに本社を置くコリアーズの子会社）に部長職として入社。不動産のプロフェッショナルとしてのキャリアをさらに発展させました。

そして、2021年には不動産会社から独立し、自身の会社である株式会社高橋商事を設立しました。独立後も、自身の経験を活かし、引退したプロ野球選手のセカンドキャリア支援の一環として、不動産運用に関するコンサルティングを行うなど、幅広い分野で精力的に活動を続けています。

選手としては惜しまれつつも短いキャリアを終えましたが、引退後に異業種である不動産業界で目覚ましい成功を収め、実業家として確立した地位を築いた人物として知られています。

詳細情報

年度別打撃成績

一軍公式戦出場なし

背番号

48 （2002年 - 2006年）

関連項目

山形県出身の人物一覧
東京ヤクルトスワローズの選手一覧
* 松坂世代

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