高橋正明 (気象学者)

高橋 正明（たかはし まさあき）

日本の気象学者であり、東京大学名誉教授の称号を持つ。気候システムの研究分野において、多大な貢献をしてきた人物である。

経歴と研究活動

高橋 正明氏は、1974年に鹿児島大学理学部物理学科を卒業し、物理学の基礎を修めた。その後、九州大学大学院理学研究科に進学し、より専門的な学問研究に取り組んだ。博士課程を単位取得退学後、1984年には九州大学より理学博士号を取得した。

研究者としての第一歩は、1985年に九州大学理学部の助手として始まった。この九州大学在籍中、その卓越した研究成果が認められ、若手研究者に贈られる栄誉ある日本気象学会山本賞を受賞している。

1991年には活動の場を東京に移し、東京大学気候システム研究センターの助教授に着任した。東京大学においても気候システムに関する研究を精力的に推進した。

特に重要な業績として、数値実験を用いた準2年周期変動（QBO：Quasi-Biennial Oscillation）に関する研究が挙げられる。この研究は、地球大気の複雑な変動メカニズムの解明に貢献するものであり、気象学における非常に価値の高い研究であると高く評価された。この顕著な功績により、1994年には日本気象学会賞が授与された。

その後、1998年には東京大学気候システム研究センターの教授に昇任し、研究室を主宰する立場となった。さらに、2010年には組織改編に伴い、東京大学大気海洋研究所気候システム研究系の教授として、引き続き最先端の研究と後進の指導にあたった。

長年にわたり東京大学において教育・研究活動に従事した後、2016年に定年により退職した。その功績を称えられ、同大学から名誉教授の称号が贈られた。

高橋 正明氏は、気象学、特に気候システムの研究分野において、数値シミュレーション技術を駆使した先駆的な研究を進め、日本の学術界に大きな足跡を残した研究者である。数々の受賞歴は、その研究が国内外で高く評価されている証と言える。

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