高橋泰蔵

高橋泰蔵

高橋泰蔵（たかはし たいぞう、1905年10月9日 - 1989年5月22日）は、日本の経済学者であり、一橋大学の名誉教授でした。静岡県出身で、東京商科大学（現在の一橋大学）を1929年に卒業しました。同期には同じく一橋大学名誉教授の深見義一がいます。

経歴

東京商科大学卒業後、同大学の教授に就任。戦後は一橋大学の教授として教鞭を執りました。1960年から1961年にかけては一橋大学附属図書館長を務め、1961年から1964年までは学長として大学運営に携わりました。1981年から1989年までは日本学士院会員として、学術の発展に貢献しました。

専門は近代経済学であり、特に貨幣論や金融論に関する研究で知られています。その研究は、日本の経済学界に多大な影響を与えました。また、高橋ゼミナールからは、佐藤定幸（一橋大学名誉教授）や石川滋（一橋大学名誉教授）など、多くの優れた経済学者が輩出しました。

主な著書

高橋泰蔵は、数多くの著書を執筆しており、以下はその一部です。

『貨幣的経済理論の新展開』 (1941年)
『国民所得の基本問題』 (1947年)
『経済発展と雇傭問題 スミス-マルサス-ケインズ』(1948年)
『インフレーション進行の法則と現段階』 (1948年)
『経済発展の理論 構想的試論』(1948年)
『経済社会観と貨幣制度』(1949年)
『新しい経済の「構図」』(1950年)
『ケインズ「一般理論」入門』(1953年)
『貨幣経済的循環の理論』 (1953年)
『金融論入門』(1957年)
『ケインズ「一般理論」研究ノート』(1959年)
『金融』(1960年)
『経済学巡礼記』(1977年)

これらの著書は、高橋の経済学に対する深い洞察と、理論的な分析能力を示すものであり、現代の経済学研究においても重要な参考文献となっています。

共編著

高橋泰蔵は、単著だけでなく、他の研究者との共同研究も積極的に行いました。

『体系経済学辞典』 (1948年)
『国際金融論』 (1949年)
『ケインズ「一般理論」講義』 (1951年)
『体系経済学小辞典』 (1956年)
『交換方程式と現金残高方程式』 (1958年)

参考文献

「高橋泰蔵名誉教授略年譜,著述目録抄」『一橋論叢』第62巻第6号、日本評論社、1969年、103-108頁
「高橋泰蔵名誉教授略年譜」『一橋論叢』第62巻第6号、日本評論社、1969年、735-736頁
* 日本人名大辞典

高橋泰蔵は、その生涯を通じて経済学の発展に大きく貢献した人物であり、その業績は今日においても高く評価されています。

もう一度検索