高瀬文志郎

高瀬文志郎

高瀬文志郎（たかせ ぶんしろう、1924年3月23日 - 2015年1月9日）は、日本の天文学者であり、特に銀河天文学の分野で多大な貢献をしました。東京大学名誉教授の称号を持ち、多くの研究者や学生を育成しました。

人物

兵庫県西脇市出身。萩原雄祐、鏑木政岐、広瀬秀雄といった著名な天文学者に師事し、天文学の道を歩みました。東京大学東京天文台附属木曽観測所の初代所長を務めたことで広く知られています。

高瀬の研究室からは、磯部琇三、岡村定矩、濱部勝など、後に天文学者として活躍する多くの人材が輩出されました。また、逗子市長や島根大学法文学部教授、龍谷大学法学部教授を歴任した富野暉一郎（政治家・政治学者）も、高瀬の指導を受けた門下生の一人です。

高瀬の天文学における貢献は非常に大きく、その功績を記念して、[小惑星]]に「Takase」という名前が付けられました。[[小惑星] Takaseは、彼の業績を永く伝える存在となっています。

略歴

1950年：東京大学理学部天文学科を卒業後、東京大学附属東京天文台の助手となります。
1958年：東京大学理学部助教授に昇任。
1961年：東京大学より理学博士の学位を取得。「恒星系における重力場の搖動について」と題する博士論文が高く評価されました。
1971年：東京天文台教授に就任し、研究活動をさらに発展させました。
1974年：東京天文台附属木曽観測所の初代所長に就任。観測所の発展に尽力しました。
1984年：東京大学を定年退官し、東京大学名誉教授の称号を受けました。退官後は、國學院大學教授に就任し、後進の指導に当たりました。
1994年：國學院大學教授を退任。
2015年1月9日：心不全のため神奈川県川崎市の病院で逝去。享年90歳。

著書

高瀬文志郎は、数多くの著書を通じて天文学の知識を広めました。主な著書には以下のようなものがあります。

単著

『宇宙のすがた』（恒星社厚生閣　1957年）
『宇宙・宇宙の構造』（東京大学出版会　東京大学公開講座　1965年）
『銀河系と宇宙・星団』（恒星社厚生閣　新天文学講座8　新版　1966年）
『銀河と宇宙・銀河の分類と諸特性』（恒星社厚生閣　現代天文学講座9　1981年）
『星・銀河・宇宙』（地人書館　1994年）

共著

『教養のための天文・宇宙データブック』（東海大学出版会　1990年）

訳書

『銀河の発見』（リチャード・ベレンゼン著　地人書館　1981年）

共編著

『銀河写真選集』（東京大学出版会　1984年）

高瀬文志郎は、日本の天文学、特に銀河天文学の発展に大きく貢献した人物として、その名が永く記憶されるでしょう。

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