高知県立春野運動公園野球場

高知県立春野運動公園野球場（こうちけんりつはるのうんどうこうえんやきゅうじょう）は、高知県高知市春野町にある、高知県立春野総合運動公園内の野球施設です。この球場は、2006年4月1日からは指定管理者制度の下、くろしお通信株式会社と株式会社須工ときわグループによる共同事業体によって管理運営されています。

歴史と特徴

当球場は、プロ野球チームのキャンプ地として長く利用されてきた歴史を持ちます。特に、1979年から2003年までの25年以上にわたり、現在の埼玉西武ライオンズの前身である西武ライオンズが一軍の春季キャンプ地として使用していました。現在も、同球団の二軍が春季キャンプ地として利用を継続しています。

球場は、高知市の中心部からやや離れた春野町に位置する広大な県立総合運動公園内にあります。2002年に開催された第57回国民体育大会「よさこい高知国体」の野球競技会場となるのに合わせ、大規模な改修工事が実施されました。この改修により、プロ野球公式戦の開催規格を満たすため、グラウンドの規模が拡張され、両翼は従来の91メートルから100メートルに、中堅は120メートルから122メートルとなりました。また、スコアボードも進化し、かつての磁気反転式から、現在は視認性に優れたLED式フリーボードが導入されています。

主な利用実績

春野運動公園野球場は、プロ野球に関連する様々なイベントの舞台となっています。歴史的な一幕としては、1993年のイースタン・リーグ開幕戦が挙げられます。この試合で、当時読売ジャイアンツの新人だった松井秀喜選手が、東京ヤクルトスワローズの新人投手、伊藤智仁選手から、ファーム公式戦ではありましたが、プロ初本塁打を記録しました。

近年では、パシフィック・リーグのオリックス・バファローズが主催するオープン戦が毎年開催されることが恒例となっており、特に阪神タイガースとの対戦カードが多く組まれ、注目を集めています。また、国際的な利用もあり、2013年以降は韓国プロ野球リーグに所属するLGツインズが毎年秋季キャンプを実施しています。かつては、独立リーグである四国アイランドリーグplusに所属する高知ファイティングドッグスが、2005年から他の球場と並行して公式戦を開催していましたが、2010年以降は当球場での公式戦開催は行われていません。

施設概要

グラウンド面積は13,553平方メートルで、両翼100メートル、中堅122メートルの広さを誇ります。内野部分は黒土混合土、外野部分は天然芝が採用されています。

観客収容人員は合計16,000人です。内訳は、メインスタンドが3,560人、内野スタンドが2,946人、そして広大な外野芝生スタンドが9,482人、さらに障害者席が12席設けられています。内野スタンドには屋根が設置されており、観戦環境に配慮されています。スコアボードはLED式です。

なお、現在の施設にはナイター設備は設置されていません。過去にはナイター設備設置の検討が行われた経緯があり、2009年には県知事が高知市などと本格的な検討に入ることを表明し、当球場が第一候補とされました。しかし、2010年の県市連携会議で高知市野球場へのナイター設備設置が優先的に決定されたため、当球場への設置計画は見送られることとなりました。

周辺施設とアクセス

高知県立春野総合運動公園内には、野球場以外にも多様なスポーツ施設が集約されています。隣接する陸上競技場は2万人を収容可能で、ナイター設備も備え、国体のメイン会場としても使用されました。その他にも、補助競技場、ソフトボール球場、球技場、体育館などがあり、県内有数の総合スポーツ拠点となっています。

当球場へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、とさでん交通の路線バスに乗車し、「春野運動公園」バス停で下車するのが便利です。自家用車の場合は、高知自動車道の高知インターチェンジから約30分で到着します。

高知県立春野運動公園野球場は、プロ野球のキャンプやオープン戦、国際チームの利用など、幅広い用途に活用されており、高知県における野球およびスポーツ振興において重要な役割を担っています。

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