高砂市野球場

高砂市野球場について

高砂市野球場（たかさごし やきゅうじょう）は、兵庫県高砂市の高砂市総合運動公園内に位置します。この野球場は高砂市が所有し、高砂市施設利用振興財団がその運営を担っています。

歴史

この球場は1972年9月に完成し、開場以来、様々なアマチュア野球の公式戦が行われてきました。具体的には、高校野球や社会人野球の試合が盛んに行われており、グラウンドの管理は高砂市施設利用振興財団と阪神園芸が共同で実施しています。高校野球兵庫大会の際には近隣の高校が運営に協力し、地域の活性化に寄与しています。

プロ野球の試合も行われており、1973年には阪神タイガースと日拓ホームフライヤーズのオープン戦が行われ、この試合は引き分けに終わりました。その後、毎年春に阪神のオープン戦が開催されていましたが、2000年を最後に行われなくなりました。また、ウエスタン・リーグの公式戦も行われていましたが、2002年に開催が打ち切られました。

さらに、関西独立リーグの試合も行われており、特に2023年には新たな関西独立リーグのチームが公式戦を実施しています。一方、全国高校軟式野球選手権大会では2015年までサブ会場として使用されていましたが、老朽化の影響で役割を他の球場に譲ることになりました。

スコアボード改修の動き

高砂市野球場ではパネル式のスコアボードが使用されており、これは兵庫県内の主要球場では唯一の存在です。スコアボードの改修が高砂市議会で議論されたこともありますが、財政状態や他の優先事項との兼ね合いから見送られてきました。しかし、スコアボードが設置されている建物は奥行きが不足しており、夏場の暑さが問題となっていました。そのため、熱中症などのリスクを軽減するため、スコアボードの電光掲示化を求める声が高まりました。

2022年に設立された「高砂市野球場の改修を支援する会」は、1万人以上の署名を集めて市議会に改修の要望を提出しました。2023年には市長がスコアボードの改修に向けての取り組みを検討する旨を表明しました。

主なエピソード

2006年には国民体育大会で高校野球が公開競技として行われ、特に早稲田実業の斎藤佑樹選手と駒澤大学附属苫小牧高等学校の田中将大選手が注目を浴びました。この試合は多くの観客を集め、国体での高校野球の盛り上がりを象徴する事例となりました。また、この年の決勝戦では早実が勝ち、夏の甲子園と同じく優勝を飾りました。

市はこの特別な記録を残すべく、球場に「ハンカチメモリアルスタジアム」という愛称を授けましたが、その後愛称が消えることになりました。これは、斎藤選手がそのニックネームを好んでいなかったことが原因の一つとされています。

施設概要

高砂市野球場は、鉄筋コンクリート製のメインスタンドが2階建てで、外野は芝生で設けられています。グラウンド面積は約21,988.66平方メートルで、両翼は91.2メートル、中堅は120メートルとなっています。収容人数は20,000人で、メインスタンドには5,000人分の座席が設けられています。特殊な屋根構造を持ち、観戦に便利な設計となっています。

このように、高砂市野球場は地域に根ざしたスポーツ文化を支えてきた重要な施設としての役割を果たしてきました。

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