高等学園とは
「高等学園(こうとうがくえん)」は、日本国内において
学校や様々な
教育・訓練施設が使用する名称の一つです。似たような名称として「高等学院」や「高等校」などがありますが、「高等学園」という名称を用いる施設は、提供する
教育内容において高等
学校と類似している場合が多く見られます。
しかし、
学校教育法に定められている「
一条校」(小
学校、中
学校、高等
学校、大学など)とは異なり、「高等学園」という名称の使用自体を直接的に規制する法令上の明確な条文は存在しません。このため、
学校法人によって設置される通常の
学校法人立
学校だけでなく、特別支援
学校、専修
学校の高等課程、技能連携校、
サポート校、さらには企業内の
職業訓練施設、学習塾、資格スクールといった非常に多岐にわたる機関がこの名称を名乗っています。この名称の多様性は、提供される
教育や支援の形態、対象とする人々が幅広いことを示しています。
高等学園を称する施設の種類
「高等学園」という名称は、その設置主体や
教育目的によって様々な種類の施設で用いられています。以下にその主なものを挙げます。
学校法人によって設置された
学校が「高等学園」を称するケースです。これらは高等
学校に準ずる
教育を行う場合が多いですが、
一条校としての高等
学校とは異なる設置基準に基づいていることがあります。例としては、九州中村高等学園、東福岡高等学園、つくば総合高等学園、中央高等学園専修
学校、丸亀藤井高等学園、桜徳高等学園、レキオ高等学園、希望高等学園、夢現高等学園、静岡勤労高等学園、清和国際高等学園、ひびき高等学園、日本高等学園・自由
教育学院などがあります。
専修学校(高等課程)
学校教育法に基づく専修
学校のうち、高等
学校卒業者を対象としない「高等課程」を設置している施設が「高等学園」の名称を使用することがあります。これらの施設は、専門的な知識や技術の習得を目的とした
教育を提供します。
日本芸術高等学園、九州国際高等学園、静岡県立漁業高等学園、日東郡山高等学園、関西高等学園、奈良高等学園などがこれに該当する例です。
障害のある児童生徒に対する
教育を行う特別支援
学校のうち、
高等部のみを設置している
学校が「高等学園」を名乗る場合があります。
学校教育法第76条第2項の規定により、
高等部のみの設置が認められています。公立の例としては、宮城県立支援
学校小牛田高等学園、宮城県立支援
学校岩沼高等学園、福岡市立特別支援
学校博多高等学園、福岡県立養護
学校北九州高等学園、北九州市立特別支援
学校北九州中央高等学園、福岡県立特別支援
学校「福岡高等学園」(軽度知的障害者が対象)、千葉県立特別支援
学校流山高等学園、千葉県立特別支援
学校市川大野高等学園、埼玉県立特別支援
学校さいたま桜高等学園、埼玉県立特別支援
学校羽生ふじ高等学園、徳島県立みなと高等学園などがあります。私立の例としては、大出学園 特別支援
学校若葉高等学園、盲女子高等学園などが挙げられます。
技能連携校
高等
学校(特に通信制高校など)との
技能連携制度に基づき、特定の分野における専門的な
教育を行う施設が「高等学園」の名称を使用することがあります。これらの施設で学ぶ内容は、連携する高等
学校の卒業単位として認められる場合があります。
教育委員会から技能
教育施設として指定を受けている施設が多く、静岡高等学園、松実高等学園などがこれにあたります。
主に通信制高校に在籍する生徒に対し、学習面や精神面でのサポートを提供する施設が「高等学園」を名乗るケースもあります。これらの施設自体は
学校教育法上の
学校ではありませんが、生徒の高校卒業を支援する役割を担います。NODA レーシングアカデミー高等学園、勇気学園沼津高等学園、NPO法人盛徳舎 水前寺高等学園、桜咲高等学園、葵高等学園などが
サポート校としての例として挙げられます。
企業内などで従業員に対する
職業訓練を行う施設が「高等学園」の名称を使用することがあります。これは、特定の産業や技術分野に特化した訓練を提供する機関です。日野工業高等学園やアイシン高等学園などがこれに該当します。
その他の施設
上記のほかにも、学習塾や資格取得のためのスクール、自動車教習所、あるいは独自の
教育理念に基づくオルタナティブ
教育を提供する施設など、様々な形態の機関が「高等学園」の名称を使用しています。例えば、沼津高等学園(学習塾)、大栄
教育システム 広島城南高等学園(資格スクール)、大阪モーターサイクル高等学園(自動車教習所)、かつてNPO法人として運営され後に
学校法人となった藤野シュタイナー高等学園(現:
学校法人 シュタイナー学園)などがあります。
このように、「高等学園」という名称は、法令上の明確な定義を持たないがゆえに、日本の
教育・訓練の多様な実態を反映して、幅広い種類の施設で用いられています。それぞれの「高等学園」が提供する
教育内容や対象者は異なるため、利用を検討する際には、その施設がどのような種類に該当し、どのような
教育を行っているのかを個別に確認することが重要です。