高見泰範

高見 泰範（たかみ やすのり）

高見泰範は、1964年1月6日生まれで岐阜県を故郷とする野球選手兼指導者です。彼は捕手としての特異な才能を持ち、特に1992年のバルセロナオリンピックにおいて日本代表の主将を務め、国際舞台での活躍が光ります。

経歴

高見は小学校4年生から捕手一筋で野球に励んできました。羽島北高校に進学し、1981年には春の岐阜大会で優勝を果たしますが、甲子園には出場できませんでした。その後、愛知工業大学に進み、一学年下の西崎幸広とバッテリーを組むことで知られました。大学では愛知大学リーグ戦で通算100試合に出場し、353打数111安打、打率.314を記録するなど輝かしい成績を収め、ベストナインにも2度選出されました。

1985年のプロ野球ドラフト会議では阪急から5位指名を受けましたが、プロ入りの意志がなかったため入団を断り、社会人野球チームの東芝に進むことを選びます。東芝に入団後、彼は1年目から都市対抗に出場し、2年目にはレギュラーに定着。第59回都市対抗野球大会では16打数9安打を記録し、チームの優勝に大いに貢献し、自身も捕手として52年ぶりとなる橋戸賞を受賞します。また、秋の日本選手権でも決勝で逆転満塁ホームランを放ち、法人リーグベストナインにも選出されています。

1989年にはアジア選手権やIBAFインターコンチネンタルカップで日本代表に選出され、古田敦也とスタメン出場を分け合いました。続く1992年のバルセロナオリンピックでは、日本代表に選ばれ、主将としてチームを牽引。全試合に捕手として先発出場し、八番または九番の打順でありながら、チーム3位の打率.370を記録する活躍を見せました。特に、予選リーグや3位決定戦でのアメリカ戦では素晴らしい成績を残し、五輪後もMVPに選出されるなど高い評価を得ました。

1993年からは一時的にコーチを兼任しつつ戦力としての出場機会は減少しましたが、同年に都市対抗野球の補強選手としても出場しました。1995年には一度は現役を引退しますが、1997年には選手登録を行い、再びグラウンドに戻ります。98年からは東芝のコーチに専念し、2001年から2006年まで監督としてチームを指導しました。その後、第15回アジア大会やIBAFワールドカップの日本代表コーチも務めました。

プレースタイル

高校時代には遠投128メートルという強肩の持ち主で、捕手として高い評価を受けていました。現役時代には、他チームの戦術研究に力を入れ、数百本のビデオテープを持参し、深夜まで研究を重ねる姿勢が印象的でした。

主な記録・表彰

• - 社会人ベストナイン: 3回（1988年、1991年、1992年）
• - 橋戸賞（第59回都市対抗）

関連情報

高見は、2020年に『マルチアングル戦術図解 野球の戦い方』を著し、戦術に関する知識を広めています。また、全日本アマチュア野球連盟において特別委員を務めた他、2008年にはNPO法人スポーツWelfareぎふを設立し、理事長としてスポーツを通して健康増進に寄与する活動を行っています。

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