高雄市立図書館総館

高雄市立図書館総館の概要

高雄市立図書館総館は台湾の高雄市に位置する公共図書館の中心的施設です。この図書館は地上8階、地下1階の構造を持ち、計画では約100万冊の蔵書を収納可能です。また、各階には建設に寄付を行った名誉寄付者の名前が付けられています。高雄市立図書館の管理は行政法人が行っており、その事務局もここに設置されています。新たに整備されたこの図書館は、都市再開発プロジェクト「亜洲新湾区」の一環として、13.8億ニュー台湾ドルという大規模な投資を受け、2014年に完成し、翌年に正式に開館しました。

歴史的背景

高雄市立図書館の起源は1916年に遡ります。当初、日本からの移民によって「文庫協賛会」が設立され、図書館が創立されました。1925年には高雄市役所に移管され「市立高雄図書館」に改名された後、数度の移転を経て、1954年に現在の「高雄市立図書館総館」へと名称が変わりました。1981年には直轄市に昇格し、それに伴い図書館の運営体系も変化しました。2010年には老朽化した図書館を新しい基準に適合する形で建て替える必要が生じました。

2012年に新しい総館の建設が始まり、特定の寄付者による寄贈が進められました。特に蔵書に寄贈者の名前が掲載される活動によって、多くの民間からの募金が集まり、100万冊の蔵書を目指すこととなりました。2014年11月には無事に完成し、一般に開放されました。その後、2015年には正式に開館し、開館からは数度の施策が行われています。

建築と設計

新しい総館は、約2万平方メートルの敷地に5,262平方メートルの建屋をもつ設計で、総床面積は37,232平方メートルに及びます。構造はサスペンション構造を採用しており、直径6-12センチのケーブルを利用して床を吊り下げることで、視覚的に開放感のある空間を創出しています。特にフロア中央には大きな吹き抜けがあり、自然光を取り入れやすい設計となっています。屋上には庭園が備えられ、グリーンビルディングの標準にも適合し、エコロジーにも配慮されています。

サービスと訪問

高雄市立図書館総館は毎日午前10時から午後10時まで開館しており、月曜日は休館日です。訪れる人々にとっては、広大な蔵書の中から自由に書籍を選んで閲覧できることが魅力です。また、特別な展覧会やイベントが開催されることも多く、地域の文化的な拠点としての役割も果たしています。

将来的な計画

現在、新たに文創会館を含む計画が進行中です。この計画では、MICE（ミーティング、インセンティブ、コンベンション、展示）機能を持つ施設が設置され、さらには文化産業との融合を目指す取り組みが行われています。これにより、高雄市が海洋都市及び文化創造都市として発展することが期待されています。

アクセス情報

最寄りの交通機関としては、高雄市の捷運紅線の三多商圈駅や環状軽軌の高雄展覧館駅が挙げられます。また、様々な公交路線も利用可能です。周辺には高雄85ビルや高雄展覧館などの施設もあります。地元の文化に拍車をかけ、多くの訪問者を迎えるこの図書館は、いつも賑わいを見せています。

もう一度検索