髙田万由子

髙田 万由子

女優、タレントとして多方面で活躍する髙田 万由子（たかた まゆこ）は、1971年1月5日に東京都で生まれました。正式には「はしごだか」を用いた「髙田」と表記されますが、一部メディアでは常用外漢字への配慮から「高田」と記されることも少なくありません。夫は世界的なヴァイオリニストである葉加瀬太郎氏で、結婚を機に葉加瀬氏が髙田姓を名乗ることになったため、本人は改姓していません。現在は家族と共に、イギリスのロンドンに生活の拠点を置いています。

その幼少期は心優しい性格で知られ、愛育幼稚園時代には、泣いている園児にハンカチを差し出すなど、周囲から大変可愛がられていたといいます。小学校からは、父方の祖母が卒業生であった縁から白百合学園に学び、小学4年生からはフランス語の教育を受け始めました。白百合学園中学校、高等学校と進む間には、スイスにある名門ボーディングスクール、ル・ロゼに約1年間留学するという貴重な経験をしています。学園の規定で留学には一度退学する必要があったため、髙田は白百合学園を退学した後、留学を終えてから編入試験を受け直し、無事同学園の2年生に復学するという異例の経緯をたどりました。高校卒業後、1990年4月には後期試験に合格し、東京大学文科三類に入学。その後、文学部西洋史学科に進み、1994年3月に同大学を卒業しました。大学生活と並行して、日本テレビイベントコンパニオンとしても活動していました。

芸能界入りの契機となったのは、東大在学中に出演した写真企画です。著名な写真家・篠山紀信氏による週刊朝日の人気連載「紀信の女子大生シリーズ」の表紙モデルを務めたことで注目を集め、ミノルタの広告に起用されます。これを足がかりに、1993年12月には音楽ユニット『Beaches』のメンバーとしてCDデビューを果たし、「今すぐ夏へ連れ去って」などの楽曲をリリースしました。テレビの世界への本格的な進出は、フジテレビの看板番組の一つであった「たけし・逸見の平成教育委員会」にレギュラー出演したことでした。持ち前の知性と明るいキャラクターで人気を博し、以降は女優、タレントとして幅広い分野で活躍します。バラエティ番組では、「料理の鉄人」の審査員や、テレビ東京の「クイズ赤恥青恥」で長きにわたり司会を務めるなど、知的なイメージを活かした仕事も多数担当しました。ドラマでは、TBS「オトコの居場所」「ジューン・ブライド」、フジテレビ「ミセスシンデレラ」、NHK連続テレビ小説「こころ」などに出演し、女優としての顔も見せています。

プライベートでは、1999年3月にヴァイオリニストの葉加瀬太郎氏と結婚。同年7月に長女を、2006年8月に長男を出産し、二児の母となりました。長女の高田向日葵さんは、東日本大震災の後、復興支援のチャリティーコンサートを行うなど、音楽活動にも携わっています。

特技は乗馬とフランス語で、特に乗馬では、テレビ番組が主催した馬術大会で優勝した経験も持っています。趣味は海外旅行、乗馬、スキー、料理、ウォータースポーツと、アクティブなものが並びます。

また、髙田家は、明治時代に武器・機械商として巨万の富を築き、「明治三大貿易商」の一つとまで称された高田商会の創設者、高田慎蔵氏の末裔にあたる家柄です。祖母は東京都港区虎ノ門に、かつて時価200億円ともいわれた大正時代の歴史ある大邸宅を所有しており、髙田自身も一時この邸宅で過ごした経験があります。残念ながら、この建物は2002年に解体され、現在は虎ノ門タワーズオフィスが跡地に建っています。

自身の人生経験や子育て、ライフスタイルに関する複数の著書を執筆しており、『サクラサク。―わたしの東大合格物語』や『東大ママ、高田万由子の家族がもっと幸せになる24のヒント』などを発表しています。さらに、海外の絵本の翻訳も手掛けるなど、文化的活動にも積極的に取り組んでいます。知性、経験、そして華やかなバックグラウンドを併せ持つ髙田万由子は、現在も多方面でその存在感を示しています。

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